問題
問2
コアコンピタンスに該当するものとして、最も適切なものはどれか。
- 短期的な売上向上を目的とした割引販売戦略
- 競合他社に容易に模倣される在庫管理方式
- 自社独自の技術によって高い品質を実現する製品開発力
- 全従業員に共通の福利厚生制度の整備
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正解
正解は「ウ」です。
解説
正解の「自社独自の技術によって高い品質を実現する製品開発力」は、他社に真似されにくく、企業の競争優位を持続可能にする重要な能力を示しています。これが「コアコンピタンス(Core Competence)」の本質です。
コアコンピタンスとは、企業が競争上の優位性を築くための中核的な力であり、独自性・模倣困難性・顧客に価値をもたらすことの3点が主な要素です。たとえば、トヨタの「カイゼン(改善)文化」や、Appleの「ユーザー体験重視の製品開発力」などがコアコンピタンスに該当します。企業が継続的に市場で競争優位を保つためには、このような中核能力の強化が不可欠です。
したがって、他の選択肢のように一時的、あるいは模倣可能な戦略や制度ではコアコンピタンスとは言えません。
ア(短期的な売上向上を目的とした割引販売戦略):
これは一時的な販促手段であり、他社でも容易に実行可能です。持続的な競争優位にはつながらないため、コアコンピタンスには該当しません。
イ(競合他社に容易に模倣される在庫管理方式):
模倣されやすいという時点で、差別化要因にはならず、企業独自の強みとは言えません。
エ(全従業員に共通の福利厚生制度の整備):
福利厚生制度は従業員満足度の向上には役立ちますが、顧客への価値提供や競争優位には直結しません。
難易度
この問題は基本用語の理解を問うものであり、IT未経験者でも比較的容易に正答できるレベルです。コアコンピタンスの特徴を正確に把握していれば迷うことなく正解にたどり着けますが、他の用語と混同していると誤答する可能性もあります。
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用語補足
コアコンピタンス:
他社が模倣しにくく、企業に競争優位をもたらす中核的能力のこと。技術・ノウハウ・組織文化などが含まれます。
競争優位:
自社が他社よりも優れている点で、価格・品質・ブランド力・技術力などがその源泉となります。
製品開発力:
顧客のニーズを満たし、市場で成功する製品を生み出す企業の能力。独自性があるほど差別化要素になります。
対策
経営戦略に関する用語として「コアコンピタンス」は頻出です。その特徴(模倣困難・価値提供・独自性)を理解しておくことが重要です。用語単独だけでなく、事例と結びつけて覚えることで、応用問題にも対応できる力が養われます。