問題
問16
“コーポレートガバナンス”の目的として、最も適切なものはどれか。
- 企業の市場シェアを拡大するための戦略を策定する
- 取締役などの経営陣が適切に企業を統治する仕組みを確保する
- 株主のみに利益を集中させる仕組みを構築する
- 企業ブランドの認知度を向上させるためのマーケティングを実施する
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正解
正解は「イ」です。
解説
コーポレートガバナンス(企業統治)とは、企業の経営陣が企業価値を高めるために、健全かつ適切な経営を行うための仕組みや制度を指します。取締役会や監査役会、社外取締役の設置、内部統制制度などがその代表的な構成要素です。
選択肢「取締役などの経営陣が適切に企業を統治する仕組みを確保する」は、まさにコーポレートガバナンスの目的を正確に示したもので、正解となります。例えば、企業不祥事を未然に防ぎ、株主やステークホルダーの信頼を維持するためには、経営に対する監視や監督が欠かせません。
また、近年ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資の重要性が高まっており、ガバナンスの強化は企業の持続可能な成長に直結する重要な施策と位置づけられています。企業の透明性や説明責任を果たすうえでも、コーポレートガバナンスの整備は欠かせない要素です。
ア(企業の市場シェアを拡大するための戦略を策定する):
これはマーケティングや経営戦略に関する目的であり、ガバナンスの直接的な目的ではありません。
ウ(株主のみに利益を集中させる仕組みを構築する):
企業統治は株主だけでなく、全てのステークホルダーを考慮した公正な経営を目指すものであり、誤りです。
エ(企業ブランドの認知度を向上させるためのマーケティングを実施する):
ブランド認知は広報・マーケティング分野の目的であり、ガバナンスの役割ではありません。
難易度
この問題はコーポレートガバナンスの基本的な定義を問うもので、企業倫理や経営管理の初歩的な理解があれば正解しやすい内容です。似た用語と混同しないためにも、目的と具体的な構成要素をあわせて覚える必要があります。
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用語補足
コーポレートガバナンス:
取締役や監査役などによって、経営の適正性や透明性を保ち、企業を適切に統治する仕組み。企業不祥事の防止や株主保護の観点から重視されます。
社外取締役:
会社の内部者ではない立場で取締役に就任し、第三者の視点から経営を監視する役割を担う人物です。
ステークホルダー:
企業活動に関わる利害関係者全般。株主、従業員、顧客、取引先、地域社会などが含まれます。
対策
コーポレートガバナンスの定義と目的を明確に覚えておくことが重要です。関連する用語(社外取締役、監査、内部統制など)もあわせて学び、他の経営用語との違いを整理すると問題を確実に解けるようになります。