問題
問90
次の表は、プロジェクトにおける複数タスクの所要日数と依存関係を示している。A→B→C→Dの順でしか進められないタスクにおいて、最も長く全体工期を遅延させる可能性があるのはどのタスクか。
タスク | 所要日数 | 予備日数 | 備考 |
---|---|---|---|
A | 5日 | 0日 | 開始タスク |
B | 8日 | 1日 | A完了後に実施 |
C | 4日 | 3日 | B完了後に実施 |
D | 6日 | 2日 | C完了後に実施 |
- A
- B
- C
- D
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正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ:Bのタスク」です。プロジェクトの全体工期に最も大きく影響を与えるのは、クリティカルパス上のタスクであり、予備日数(余裕日数)が0または小さいタスクです。今回のタスクの流れはA→B→C→Dの順で進みますが、それぞれの予備日数を見ると、Aは0日、Bは1日、Cは3日、Dは2日です。予備日数が少ないほど、そのタスクの遅れがプロジェクト全体の遅延につながりやすいことを示しています。
Aは開始タスクで予備日数0ですが、所要日数が5日と短く、Bは所要日数8日で予備日数1日、ここが最長かつ予備日数も少ないため、Bが遅延すると全体に大きく影響します。CやDは予備日数が比較的多いため、多少遅れても全体の遅延には直結しにくいです。
日常で例えると、複数の仕事を段階的に進めるときに、一番時間がかかる工程に少しの遅れがあると全体が遅れてしまうのと同じです。したがって、最も工期を遅らせる可能性があるのはBです。
- ア(A):
開始タスクで予備日数が0日ですが、所要日数が5日とBより短いため、全体遅延に与える影響はBより小さいです。 - ウ(C):
予備日数が3日と多いため、多少遅れても全体の遅延にはつながりにくく、影響が限定的です。 - エ(D):
予備日数が2日あり、後続タスクがないため遅延の影響は比較的小さいです。
難易度
本問題はプロジェクトマネジメントにおける「クリティカルパス」と「予備日数」の理解を問うもので、初心者にとっては少し考えを要します。依存関係と予備日数の概念を理解していれば解けるため、中程度の難易度といえますが、初学者は計算を要するため難しく感じるかもしれません。
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用語補足
クリティカルパス:
プロジェクトの中で最も時間がかかる連続したタスクの経路で、ここに遅延が生じると全体の工期が遅れる道筋です。例えば、複数工程を順番に進めるとき、最も長い工程の連なりがクリティカルパスです。
予備日数(余裕日数):
あるタスクが遅れても全体に影響を与えずに済む余裕のある日数のことです。例えば、締め切りまでに5日余裕があれば、そのタスクは多少遅れても大丈夫という意味です。
依存関係:
一つのタスクが終わらないと次のタスクを始められない関係のことです。例えば、料理で材料を切ってから炒めるように、順番が決まっている作業のことです。
対策
プロジェクト管理においてはクリティカルパスを特に注意し、予備日数の少ないタスクの遅延が全体に与える影響を理解することが重要です。予備日数の意味を正しく把握し、タスクの依存関係を明確にしながら計画を立てる練習を積むことで、問題をスムーズに解けるようになります。