問題
問88
次のうち、開発工程において「バージョン管理システム」を利用する主な目的として最も適切なものはどれか。
- プロジェクトの収支を管理する
- ユーザーの操作履歴を記録する
- クラウド上でチャットする
- ソースコードの変更履歴を管理し、共同作業を支援する
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ:ソースコードの変更履歴を管理し、共同作業を支援する」です。バージョン管理システムは、ソフトウェア開発においてソースコードの変更内容を記録・管理するためのツールです。これにより、誰がどの部分をいつ変更したかが明確になり、過去の状態に戻すことも可能です。また複数の開発者が同じプロジェクトで同時に作業しても、変更の統合や競合の解決を効率的に行えます。
例えば、複数人で共同執筆する文書の履歴管理のようなイメージで、誤って消した部分を復元したり、変更箇所を比較したりできます。プロジェクトの収支管理やユーザーの操作履歴記録、チャット機能はバージョン管理システムの目的とは異なります。開発工程の効率化とミスの防止に重要な役割を果たすツールです。
- ア(プロジェクトの収支を管理する):
収支管理は経理やプロジェクト管理ツールの役割であり、バージョン管理システムの目的ではありません。 - イ(ユーザーの操作履歴を記録する):
ユーザーの操作履歴はログ管理システムの機能であり、ソースコードの管理とは異なります。 - ウ(クラウド上でチャットする):
チャットはコミュニケーションツールの役割であり、バージョン管理システムには含まれません。
難易度
本問題はバージョン管理システムの基本的な役割を問う内容であり、ソフトウェア開発の経験がない初心者でも理解しやすい基礎的な問題です。選択肢に不正解の機能が混ざっているため、システムの目的を正しく理解していれば解答しやすいでしょう。
用語補足
バージョン管理システム:
ソフトウェアのソースコードなどの変更履歴を記録・管理するシステムです。過去の状態に戻したり、複数人での同時作業を調整したりするのに使います。代表例はGitやSubversionです。
収支管理:
プロジェクトや企業の収入と支出を管理することです。経理ソフトや会計システムを使って行います。
操作履歴:
ユーザーがシステム上で行った操作の記録です。システムの利用状況把握やトラブル時の原因調査に役立ちます。
対策
バージョン管理システムの目的と基本機能をしっかり理解しましょう。特に「変更履歴の管理」と「共同作業の支援」が重要なポイントです。代表的なツール名(Gitなど)も合わせて覚え、過去問題で役割に関する設問を繰り返し学習することをおすすめします。