問題
問85
プロジェクトにおいて「属人化」を避けるために有効な施策はどれか。
- 全業務を1人の担当者に集中させる
- 業務マニュアルを整備して共有する
- 短期間での人事ローテーションを行う
- 上司にだけノウハウを報告する
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ:業務マニュアルを整備して共有する」です。属人化とは、特定の業務やノウハウが一部の個人に依存し、その人しか対応できない状態を指します。このような状態では、担当者が急に不在になった際に業務が停滞するリスクがあります。
これを防ぐためには、業務の進め方やノウハウを文書化し、誰でも確認できる状態にすることが重要です。業務マニュアルを整備して共有すれば、担当者以外の人でも内容を把握できるため、業務の引き継ぎやサポートがスムーズになります。
たとえば、料理のレシピ本のように、誰でも手順に沿って作業できるようにすることが属人化の解消に繋がります。特定の人だけが知っている「コツ」や「経験則」もマニュアルに反映させることで、組織全体の業務品質を一定に保つことができるのです。
- ア(全業務を1人の担当者に集中させる):
業務を1人に集中させることは、まさに属人化を進める行為です。担当者が不在になると業務が止まってしまうため、逆効果です。 - ウ(短期間での人事ローテーションを行う):
短期間でのローテーションは知識やスキルの定着を妨げる可能性があり、逆に効率や品質が落ちることがあります。属人化解消の根本対策とは言えません。 - エ(上司にだけノウハウを報告する):
ノウハウを上司のみに共有しても、現場のメンバーに伝わらなければ属人化の解消にはなりません。情報は広く共有される必要があります。
難易度
本問題は「属人化」という言葉の意味を理解していれば比較的容易に解ける問題です。日常の職場でも起こり得る現象であるため、実務経験がある人には特に馴染みやすい内容です。IT未経験者にとっても選択肢をよく読めば消去法で解けるため、難易度は「やや易しい」といえます。
用語補足
属人化:
特定の業務や情報が特定の人にしか分からず、その人しか対応できない状態のことです。たとえば、経理処理を1人だけが担当し、他の人が手順を知らない場合などが該当します。
業務マニュアル:
業務手順やルールを文書化したもので、誰でもその内容を見れば業務が遂行できるようにする目的で作成されます。料理のレシピのようなものです。
ナレッジ共有:
組織内のノウハウや知識を関係者で共有することを指します。例えば、社内Wikiやデータベースに業務のコツを記録し、誰でもアクセスできるようにすることです。
対策
属人化という言葉の意味をきちんと理解し、それを防ぐための基本的な対策(業務の標準化、マニュアル整備、情報共有など)を覚えておくことが重要です。選択肢を読むときには、「誰でもできる状態を作る」ことがポイントになることを意識しましょう。