問題
問84
以下のうち、リスクの「受容」に該当する対応はどれか。
- 損害の可能性を理解した上で、何も対策を講じない
- リスクがある作業を中止する
- リスク対応のための資金を準備する
- 作業の手順を変更して発生確率を下げる
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正解
正解は「ア」です。
解説
リスクの「受容」とは、リスクが存在することを認識しながらも、あえて何も対策を講じず、そのリスクを受け入れる選択をすることです。これは、リスクによって想定される損害が許容範囲内であり、対策にかかるコストや労力がかえって非効率であると判断された場合に選ばれます。
選択肢アでは、「損害の可能性を理解した上で、何も対策を講じない」と明記されています。これはリスクを認識した上で、あえて対策を取らずにそのまま業務を継続する判断であり、「リスクの受容」に該当します。
たとえば、数百円の備品が紛失する可能性があっても、監視カメラを設置する費用のほうが高ければ、そのリスクを受け入れることが合理的です。企業はすべてのリスクに対して対策を講じるのではなく、状況に応じて「回避」「軽減」「移転」「受容」などを選びますが、「受容」はその中でも最もシンプルでコストがかからない方法です。
- イ(リスクがある作業を中止する):
これは「リスク回避」に該当する対応です。リスクを完全に避けるために、リスクを伴う作業自体を行わないという判断です。 - ウ(リスク対応のための資金を準備する):
これは「リスク移転」や「リスク軽減」の一環であり、発生した場合の損害に備える対応であって、「受容」とは異なります。 - エ(作業の手順を変更して発生確率を下げる):
これは「リスク軽減」に該当します。リスクが完全にはなくならないものの、手順を工夫することで発生する確率や影響を減らす対策です。
難易度
この問題は、リスクマネジメントに関する基本用語の理解を問うものであり、初学者にも比較的やさしいレベルです。「回避」「軽減」「移転」「受容」といった4つのリスク対応の代表的分類を覚えていれば、すぐに解答できる内容です。
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用語補足
リスク:
未来に発生するかもしれない損害や障害の可能性のことです。たとえば、停電が起きる可能性や、システム障害などがリスクに該当します。
リスク受容:
リスクがあることを理解した上で、特に対策を講じずにそのまま受け入れる方法です。損害が小さい、または対策コストが高すぎる場合に選択されます。
リスク回避:
リスクを避けるために、その活動やプロジェクトを実施しないという選択です。たとえば、危険な場所への出張を中止するなどが該当します。
リスク軽減:
リスクが完全にはなくならない場合でも、手順や対策を講じて影響や発生確率を下げる方法です。セキュリティソフトの導入などが例です。
リスク移転:
リスクを第三者に任せる方法です。たとえば保険への加入や業務委託などが該当し、損害を他者に負担してもらう形です。
対策
この問題に対応するためには、リスク対応の4つの基本パターン「回避」「軽減」「移転」「受容」の意味と具体例をしっかり覚えることが重要です。実生活や仕事の中で起きうるリスクを想像し、それぞれの対応がどう当てはまるかを考えることで理解が深まります。