問題
問80
次のうち、プロジェクトスコープマネジメントで行う活動として最も適切なものはどれか。
- 成果物の完成後に評価報告書を作成する
- 作業工程を日単位でスケジューリングする
- コスト管理のために見積りを算出する
- プロジェクトの作業範囲や成果物の内容を明確にする
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正解
正解は「エ」です。
解説
正解の「エ」は、「プロジェクトの作業範囲や成果物の内容を明確にする」という内容で、これは「プロジェクトスコープマネジメント」において中核となる活動です。スコープとは、プロジェクトで「何を行うか」や「どこまでの範囲を対象とするか」を定義することを指します。これをしっかりと決めておかないと、後から「こんな作業も追加してほしい」といった要求が増えたり、逆に必要な作業が漏れたりして、トラブルの原因となります。
例えば、家を建てるプロジェクトで、スコープに「外構(庭や塀)」を含めていなかったために、完成後に追加工事が必要になったというようなケースが考えられます。このように、あらかじめプロジェクトの対象範囲を明確にすることで、リスクを減らし、計画的に進行できるのです。
スコープマネジメントでは、WBS(作業分解構成図)を用いて、作業を細かく分けて整理することで、範囲の漏れや重複を防ぎます。したがって、この選択肢が最も適切です。
- ア(成果物の完成後に評価報告書を作成する):
これは「プロジェクト統合マネジメント」や「品質マネジメント」の評価フェーズに該当する活動であり、スコープマネジメントの範囲ではありません。 - イ(作業工程を日単位でスケジューリングする):
この活動は「スケジュールマネジメント」に該当します。作業の順番や日程を調整するのが目的で、スコープとは異なります。 - ウ(コスト管理のために見積りを算出する):
こちらは「コストマネジメント」の活動です。予算や費用の見積りはスコープではなく、金銭面の管理を目的としています。
難易度
この問題はプロジェクトマネジメントに関する基本的な知識を問うもので、用語の理解があれば難易度はそれほど高くありません。初心者でも、スコープ=範囲と覚えておけば正解しやすく、IT未経験者にも取り組みやすい問題です。
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用語補足
プロジェクトスコープマネジメント:
プロジェクトの作業範囲や成果物の定義を明確にし、それに基づいて作業を進める管理手法です。例えば「この建物は何階建てにするのか」といった範囲を最初に決めることが重要です。
WBS(Work Breakdown Structure):
プロジェクトを小さな作業単位に分解して整理した図のことです。大きな仕事を小分けにすることで、管理がしやすくなります。料理でいうと、買い出し・下ごしらえ・調理といった流れを整理するようなものです。
スケジュールマネジメント:
プロジェクトの作業をいつ行うかを計画・調整する活動です。たとえば、家を建てる際に「基礎工事は何日、内装工事はいつから」といった具体的な日程を組むことが該当します。
対策
プロジェクトマネジメントに関する問題は、分野ごとの管理対象(スコープ、コスト、スケジュールなど)を正確に理解しておくことが重要です。スコープ=範囲、コスト=お金、スケジュール=時間といったキーワードを結びつけて覚えると、選択肢の見極めがしやすくなります。