問題
問64
プロジェクトにおいて「要件定義」を実施する主な目的として最も適切なものはどれか。
- ソースコードの品質を向上させる
- 開発担当者の作業分担を決める
- システムの導入時期を早める
- ユーザーのニーズや期待を明確にし、仕様を固める
正解
正解は「エ」です。
解説
要件定義の主な目的は、ユーザーが求めているニーズや期待を明確にし、それに基づいてシステムの仕様を具体的に決めることです。つまり、ユーザーがどのような機能や性能を求めているかを詳しく聞き取り、それを文書化してプロジェクトの設計や開発の基礎とする工程です。
これにより、開発するシステムの目的や範囲がはっきりし、後の設計・開発工程での認識のずれや手戻りを防ぐことができます。日常生活の例で言えば、新築住宅を建てる際に、施主の希望やライフスタイルを丁寧に聞いて設計図を作る段階にあたります。この段階がしっかりしていれば、完成後の満足度が高まります。
一方、ソースコードの品質向上や作業分担の決定、導入時期の早期化は要件定義の直接的な目的ではありません。これらは要件定義の後に行われる設計やプロジェクト管理の領域で主に扱われる内容です。
- ア(ソースコードの品質を向上させる):
ソースコードの品質管理は設計やコーディング段階で行うものであり、要件定義の目的ではありません。 - イ(開発担当者の作業分担を決める):
作業分担の決定はプロジェクト管理やスケジュール管理の役割であり、要件定義の範囲外です。 - ウ(システムの導入時期を早める):
導入時期はプロジェクト全体の計画で決まるもので、要件定義はそのための準備段階で直接的な目的ではありません。
難易度
本問題はプロジェクトの基本工程である「要件定義」の目的を理解しているかを問う問題です。IT未経験者でも学習すれば理解できる基本的な内容であり、難易度は比較的低いといえます。
用語補足
要件定義:
ユーザーの要求や期待を具体的に明らかにし、システムの機能や性能などの仕様を決めるプロジェクト初期の工程です。たとえば、通販サイトで「商品検索ができる」などの機能要件を決めます。
ソースコード:
プログラムを人間が書いた命令文の集まりで、コンピュータが理解できる形式に変換されて実行されます。たとえば、Webサイトの動きを制御するプログラムなどです。
作業分担:
プロジェクトの作業を複数人で効率よく進めるために、担当者ごとに役割や仕事を割り振ることです。たとえば、設計担当、開発担当、テスト担当に分けることです。
対策
要件定義の役割や目的を理解することが重要です。ユーザーのニーズを正確に把握し、仕様として文書化することで、開発の土台を作ります。プロジェクト工程全体の流れも併せて学習し、各段階の役割を明確に区別できるようにしましょう。