問題
問60
以下のうち、「CAPA(是正及び予防処置)」の考え方として最も適切なものはどれか。
- 問題の発生原因は追及せず、すぐ対応する
- 問題が再発してから対応する
- 問題の原因を分析し、再発防止の対策を行う
- 影響がなければ問題は放置してよい
正解
正解は「ウ」です。
解説
CAPA(Corrective and Preventive Action)は、品質管理やリスク管理の分野で用いられる重要な考え方です。「是正処置」と「予防処置」の2つの側面から問題への対応を行います。「是正処置」は発生した問題の原因を明確にし、その原因を取り除くための対策を行うことを指します。一方、「予防処置」はまだ問題が発生していないが、将来的に発生する可能性がある不具合やリスクを事前に防ぐための対策を講じることです。
正解の「問題の原因を分析し、再発防止の対策を行う」は、まさにCAPAの核心的な考え方を反映しています。単に問題に対処するのではなく、根本原因を見つけて再発を防止することで、業務の品質や安全性を継続的に向上させることができます。
これは、たとえば家で水漏れが起きたときに、ただタオルで水を拭くのではなく、水漏れの原因となっているパイプの劣化を特定し、パイプ自体を修理・交換するような対応に相当します。
- ア(問題の発生原因は追及せず、すぐ対応する):
この対応は表面的な問題解決にとどまり、根本原因が放置されてしまいます。これでは同様の問題が繰り返し発生する可能性が高く、CAPAの考え方とは合致しません。 - イ(問題が再発してから対応する):
再発を待ってから対応するのは、被害が広がるリスクがあり、非常に消極的なアプローチです。CAPAでは再発を未然に防ぐことが重視されます。 - エ(影響がなければ問題は放置してよい):
問題の影響が軽微でも、将来大きなトラブルに発展する可能性があるため、放置することは不適切です。予防的な対応がCAPAの本質です。
難易度
本問はCAPAの基本的な考え方を問うものであり、暗記ではなく概念の理解が必要です。しかし、用語自体が難解ではなく、内容も日常生活に例えることで理解しやすいため、難易度は「やや易しい」と言えます。初学者でも学習しておけば十分に対応可能です。
用語補足
CAPA:
「Corrective and Preventive Action」の略で、「是正及び予防処置」を意味します。発生した問題の原因を特定して是正したり、将来的な問題を予防したりするための活動です。たとえば、食品製造業では異物混入を防ぐためにラインの点検を強化することなどが該当します。
是正処置:
すでに発生した問題や不具合に対して、根本原因を取り除くために行う対策です。例としては、エラーの原因となるプログラムのバグを修正することが挙げられます。
予防処置:
まだ問題が発生していない段階で、将来的な不具合を防ぐために行う対策です。たとえば、トラブルの兆候がある機械に対して早めの点検や交換を行うことなどが該当します。
対策
CAPAのような品質管理やリスク管理の用語は、意味を暗記するだけでなく、その背景や目的、現場での活用方法まで理解しておくことが重要です。問題が起きたときの対応プロセスや、「是正」と「予防」の違いを整理しておくと、関連問題にも対応しやすくなります。