問題
問5
アジャイル開発手法の特徴として、最も適切なものはどれか。
- 要件を最初に完全に定義してから設計を行う
- 各工程をウォーターフォール型に従って順番に実行する
- 短期間で繰り返し開発し、顧客と頻繁に対話する
- 仕様変更を避けるために文書化を徹底する
正解
正解は「ウ」です。
解説
アジャイル開発は、ソフトウェア開発の手法の一つで、短期間で繰り返し開発と改善を行いながら、顧客との継続的な対話を重視するのが特徴です。この手法は、顧客の要求や市場の変化に迅速に対応するために考案されました。
具体的には、スプリントと呼ばれる短い開発サイクルの中で、計画・設計・実装・テスト・レビューといった一連の工程を繰り返しながら、段階的に成果物を完成させていきます。
このように、頻繁なフィードバックを通じて機能の追加や修正が柔軟に行えるため、顧客満足度を高めやすいという利点があります。日常生活で例えるなら、料理を作る際に、途中で味見をして調味料を調整するようなものです。このスタイルは、従来の「設計→実装→テスト→納品」といった一方向的な開発（ウォーターフォールモデル）と対比される点です。
ア(要件を最初に完全に定義してから設計を行う):
これはウォーターフォールモデルの特徴です。アジャイルでは、途中で要件が変わることを前提にしているため、初めに完全に定義する必要はありません。
イ(各工程をウォーターフォール型に従って順番に実行する):
ウォーターフォール開発では工程を順番に進めますが、アジャイルでは反復的に開発工程を進めていきます。したがってこれはアジャイル開発の特徴ではありません。
エ(仕様変更を避けるために文書化を徹底する):
アジャイルでは文書よりも動くソフトウェアと対話を重視します。仕様変更も前向きに受け入れるため、文書化の徹底はアジャイルには馴染みません。
難易度
この問題はアジャイル開発の基本的な特徴を問うものであり、用語に馴染みがあれば容易に正解を選ぶことができます。頻出のテーマであり、初心者でも選択肢の文面を比較すれば理解しやすいため、難易度は「やさしい」といえます。
用語補足
アジャイル開発：
短い開発期間（スプリント）を繰り返し、ユーザーの要求に柔軟に対応する開発手法。試作品を作って評価し、改善しながら最終的な成果物を完成させていきます。
ウォーターフォールモデル：
要件定義から設計、実装、テスト、運用までを段階的かつ一方向に進める開発手法。仕様の変更には弱いという特性があります。
スプリント：
アジャイル開発における短い開発期間（通常1～4週間）を指します。この期間中に設計からテストまで一通り行い、成果物を段階的に仕上げていきます。
対策
アジャイル開発とウォーターフォール開発の違いを理解することが重要です。繰り返し開発・対話重視・変更への柔軟性というアジャイルのキーワードを覚えておくと、試験での類題にも対応しやすくなります。
