問題
問35
次のうち、「プロジェクト憲章(Project Charter)」の説明として最も適切なものはどれか。
- プロジェクト終了後に成果物を確認する文書
- プロジェクトの設計書の一部として記載される文書
- メンバーの勤務時間を規定する社内ルール
- プロジェクトの目的・範囲・責任者などを記載した公式な文書
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正解
正解は「エ」です。
解説
プロジェクト憲章(Project Charter)は、プロジェクトを正式に立ち上げるための基本的かつ公式な文書です。正解の選択肢「エ」にあるように、この文書にはプロジェクトの目的、達成すべき成果、範囲、責任者、主要なステークホルダー、制約条件、リスクの概要などが記載されます。これにより、プロジェクトの存在が組織内で正式に認められ、責任者や関係者に必要な権限が与えられることになります。
たとえば、学校で文化祭を実施する場合に、実行委員会の目的やどのような出し物をするのか、誰が責任者かなどをまとめた文書があると、全体の進行がスムーズになりますよね。プロジェクト憲章はそれと同じで、プロジェクトに関わる全員が共通の理解を持つための土台となります。
特にITのプロジェクトでは、関係者が多く作業も複雑になりがちなので、このような文書によってプロジェクトの方向性を明確にすることが非常に重要です。
- ア(プロジェクト終了後に成果物を確認する文書):
この説明は「完了報告書」や「最終成果物レビュー」に該当します。プロジェクト憲章はプロジェクト開始時に作成される文書であり、終了後に使う文書ではありません。 - イ(プロジェクトの設計書の一部として記載される文書):
設計書はシステムの機能や構造を記載する技術的な文書であり、プロジェクト憲章とは目的も性質も異なります。プロジェクト憲章は設計の前段階で作成されます。 - ウ(メンバーの勤務時間を規定する社内ルール):
勤務時間を規定する文書は「就業規則」や「勤務規程」と呼ばれ、プロジェクトに限定されたものではありません。プロジェクト憲章は勤務時間のルールを記すものではありません。
難易度
この問題は、プロジェクトマネジメントにおける基本用語である「プロジェクト憲章」の定義を問うものであり、用語の意味を知っていれば正解しやすい問題です。言葉の響きから勘違いしやすい選択肢も含まれていますが、しっかりと用語の定義を覚えていれば、初心者でも正答できる難易度といえます。
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用語補足
プロジェクト憲章:
プロジェクトの目的や目標、責任者、範囲、リスク、ステークホルダーなどを記した公式な文書で、プロジェクト開始の承認を得るために使用されます。学校の文化祭の企画書のような役割です。
ステークホルダー:
プロジェクトの成功や失敗に影響を受けるすべての関係者を指します。例としては、顧客、プロジェクトメンバー、上司、外注先などがあります。
就業規則:
社員の勤務時間、休日、給与、懲戒など、企業内で働くためのルールを定めた文書です。プロジェクト単位ではなく、全社的に適用されます。
対策
プロジェクトマネジメントに関する用語は、似たような名前や意味の文書が多いため、それぞれの文書の役割や使用タイミングを具体例とともに覚えることが重要です。特にプロジェクト憲章やWBS(作業分解構成図)など、頻出の用語は正確に覚えましょう。