問題
問34
ITガバナンスに関する記述として最も適切なものはどれか。
- ITの運用業務をすべて外部に委託すること
- 企業の目的を達成するためにITの運用や管理を適切に統制する仕組み
- IT機器の使用頻度を調査する制度
- 企業内のITスキルレベルを一律に向上させる活動
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正解
正解は「イ」です。
解説
正解の「イ」は、ITガバナンスの本質を正しく説明しています。ITガバナンスとは、企業や組織の目標を効率的かつ確実に達成するために、ITを戦略的に活用しながら、その運用・管理を統制する仕組みのことです。
例えば、会社が売上を伸ばすという目標を立てたとき、IT部門がその目標に沿ったシステムを導入・運用し、その結果を経営層がチェックできる体制が整っていれば、ITガバナンスが効いている状態と言えます。 ガバナンスとは「統治」や「管理」の意味があり、ITガバナンスは企業におけるIT活用に関して、ルールや方針を定め、その運用が正しく行われているかどうかをチェックすることで、無駄なIT投資を防ぎ、リスクを最小限に抑えることが目的です。
つまり、ITを単に導入するだけでなく、その使い方や運用体制にまで目を配り、企業活動に貢献するような方向性を確立することが求められます。
- ア(ITの運用業務をすべて外部に委託すること):
これはアウトソーシングの一形態であり、ITガバナンスとは直接関係がありません。ガバナンスは業務の実施者を問わず、全体の管理体制の話です。 - ウ(IT機器の使用頻度を調査する制度):
IT機器の利用状況の把握は管理の一部ですが、ITガバナンス全体を表すものではありません。これは部分的な情報収集活動に過ぎません。 - エ(企業内のITスキルレベルを一律に向上させる活動):
これは人材育成やIT教育に関する取り組みであり、ガバナンスの一部として含まれることはありますが、ガバナンスそのものを表しているわけではありません。
難易度
この問題は用語の正しい理解が求められる知識問題です。ITガバナンスという言葉の意味を知っていれば容易に正解できますが、知らないと他の選択肢に惑わされやすくなります。初心者でも対策すれば確実に正解できるレベルの難易度です。
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用語補足
ITガバナンス:
企業や組織の目標達成のために、ITの運用・管理を戦略的に統制する仕組みです。例えるなら、ITという道具を正しく使うための「交通ルール」のようなものです。
アウトソーシング:
業務の一部や全部を外部の企業に委託することです。例としては、社内のシステム保守を専門のIT企業に任せることなどが挙げられます。
統制:
目標に向かって物事が正しく進んでいるかをチェックし、必要に応じて修正する管理の仕組みです。会社で言えば、上司が部下の仕事を確認するのと似ています。
対策
ITガバナンスのような経営とITの関係を問う用語問題は、語句の意味をしっかり覚えることが重要です。用語集やテキストで定義を確認し、他の似た用語(例:ITIL、コーポレートガバナンスなど)との違いを理解する練習をしておきましょう。