問題
問28
SLM(サービスレベル管理)の活動として、最も適切なものはどれか。
- 業務アプリの保守計画を策定する
- ネットワーク機器の障害時に備えて再起動手順書を作成する
- サービスの品質を維持・改善するための目標値を設定し、評価する
- 利用者にシステム操作方法を教育する
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ:サービスの品質を維持・改善するための目標値を設定し、評価する」です。SLM(Service Level Management:サービスレベル管理)は、ITサービスの提供において、顧客や利用者と合意したサービスレベル(品質、応答時間、可用性など)を満たすための管理活動です。
このプロセスでは、サービスに関する具体的な目標値(例:応答時間は3秒以内、月間稼働率は99.9%以上など)を設定し、それに基づいてサービス提供状況を監視・評価し、必要に応じて改善を行います。
日常の例としては、宅配業者が「翌日配送率98%以上」という目標を掲げて達成状況を確認することと似ています。SLMの最終目的は、サービスの安定性と顧客満足度を維持・向上させることであるため、目標設定と評価という活動はまさにその中心的な内容です。
- ア(業務アプリの保守計画を策定する):
これはアプリケーション運用や保守管理の活動であり、SLMの直接的な役割ではありません。 - イ(ネットワーク機器の障害時に備えて再起動手順書を作成する):
これは運用管理や障害管理の一部であり、SLMの目標設定・監視とは異なります。 - エ(利用者にシステム操作方法を教育する):
これは教育・サポート活動に関わるもので、SLMの範囲外の活動です。
難易度
この問題はSLMの目的と活動内容を正しく理解していれば正答しやすいため、基本レベルの難易度です。ただし、他の選択肢が似たようなITサービス関連業務であるため、用語の混同に注意が必要です。用語ごとの役割を明確に覚えることがポイントです。
用語補足
SLM(サービスレベル管理):
サービス提供者と利用者の間で合意されたサービスレベル(品質、速度、可用性など)を確実に達成・維持するための管理活動です。
サービスレベル:
ITサービスに対して設定される品質や性能の目標値で、SLA(サービスレベル合意書)に記載されます。例:月間稼働率99.9%
サービス評価:
実際に提供されたサービスが、設定した目標値を満たしているかどうかを評価・測定する活動で、継続的な改善のために不可欠です。
対策
SLM(サービスレベル管理)という用語がどのような活動を含むのかを、SLAやサービス評価とセットで理解することが重要です。関連する用語(障害管理、運用管理、教育支援など)と混同しないように、活動目的と対象範囲を明確に区別して覚えると良いでしょう。