問題
問27
ITサービスマネジメントにおいて、インシデント管理の目的として、最も適切なものはどれか。
- 脆弱性の事前検知と対策を行うこと
- 不正アクセスを排除すること
- サービス中断を迅速に復旧し影響を最小限に抑えること
- ソフトウェアの設計品質を検査すること
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正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ:サービス中断を迅速に復旧し影響を最小限に抑えること」です。インシデント管理は、ITサービスマネジメントにおいて非常に重要なプロセスの一つです。ここでの「インシデント」とは、サービスの中断や性能低下など、通常の運用を妨げる出来事を指します。
インシデント管理の目的は、これらの問題に迅速に対応し、サービスの停止時間を短くし、業務への影響を最小限にとどめることです。
例えば、企業のWebサイトが突然アクセスできなくなった場合、サポート部門がすぐに原因を特定して復旧対応を行うことがインシデント管理の典型的な対応です。日常的な例でいえば、電車の遅延に対して、運行管理が速やかに対応し復旧を図るようなものであり、顧客満足度の維持や信頼性の確保に大きく貢献します。
- ア(脆弱性の事前検知と対策を行うこと):
これは「予防的管理」や「セキュリティ管理」に関する活動であり、インシデントが発生する前の対策です。 - イ(不正アクセスを排除すること):
この活動は「セキュリティ管理」や「アクセス制御」の範囲に該当し、インシデント管理の直接的な目的とは異なります。 - エ(ソフトウェアの設計品質を検査すること):
これは「品質保証」や「品質管理」の一環であり、インシデントへの対応とは関係ありません。
難易度
この問題はインシデント管理の目的を理解していれば正解しやすいため、比較的易しい部類に入ります。各選択肢はよく似た分野の用語に見えるため、関連用語を混同しないことがポイントです。用語の正確な定義を押さえておくことが重要です。
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用語補足
インシデント:
ITサービスにおいて、サービスの中断や性能の低下、異常な動作など、通常の業務を妨げる事象のことです。例:ネットワーク障害やシステムダウン。
インシデント管理:
発生したインシデントに対し迅速に対応し、サービスを早期に復旧させるプロセスです。ユーザーへの影響を最小限に抑えることを目的とします。
サービス継続性:
ITサービスが停止しても、迅速に復旧・再開できる体制を整えることです。インシデント管理とも密接に関係します。
対策
インシデント管理の定義と目的をしっかり覚えることが第一歩です。似たような用語(予防、品質、セキュリティなど)との違いを明確にするために、ITILのプロセスごとの目的と活動内容を一覧表などで整理しておくと理解が深まります。