問題
問26
リスク管理において「リスク共有」に該当する対応はどれか。
- 損害保険に加入する
- リスクの詳細な監視体制を構築する
- リスクを受容する
- プロジェクトを共同で遂行し、リスクを分担する
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ:プロジェクトを共同で遂行し、リスクを分担する」です。リスク共有とは、リスクが発生した際の影響を特定の関係者だけでなく、他者と協力して分担することで全体のリスクを軽減する対応方法です。
たとえば、プロジェクトを複数の企業やチームで共同実施することで、失敗時の損失や責任を分散できます。日常生活で例えると、イベント開催を複数の団体で共同主催するようなもので、天候不良などのリスクによる損害が発生しても、1団体が全ての損害を負うのではなく、複数の団体で分け合うことでリスクを軽くする仕組みです。
リスク管理においては、リスク回避・軽減・移転・受容・共有といった複数の選択肢があり、状況に応じて最も適切な対処を選ぶ必要があります。共有は、主に対等なパートナーシップ関係において有効な戦略です。
- ア(損害保険に加入する):
これは「リスク移転」に該当する対応です。保険会社にリスクを引き受けてもらうため、共有ではなく第三者への転嫁です。 - イ(リスクの詳細な監視体制を構築する):
これは「リスク軽減」や「リスクコントロール」に該当し、リスクの発生確率や影響を減らすための行動です。 - ウ(リスクを受容する):
これは「リスク受容」として定義されており、リスクが発生しても特に対策を講じず受け入れる考え方です。
難易度
この問題はリスク対応策の5分類(回避・軽減・移転・共有・受容)を正しく理解していれば解答可能です。しかし、言葉の違いが抽象的で混同しやすいため、初心者にはやや難しく感じられるかもしれません。図解などで整理すると理解しやすくなります。
用語補足
リスク共有:
プロジェクトなどの責任や損害を複数の関係者で分担することで、単独での負担を軽減する方法です。例としては共同開発や共同出資が挙げられます。
リスク移転:
損害保険に加入するなどして、リスクの責任を外部に委ねる手法です。自社では対応しきれない重大リスクに使われることが多いです。
リスク受容:
発生しても対応せず、そのままリスクを受け入れる方法です。影響が軽微であったり、対策コストが高すぎる場合に選択されます。
対策
リスクへの5つの対応(回避・軽減・移転・共有・受容)をセットで覚えるのが効果的です。それぞれの定義だけでなく、実際の例と結びつけて覚えると、選択肢の違いが明確になりやすくなります。図表や比較表を活用すると理解が深まります。