問題
問25
アジャイル開発手法の特徴として、最も適切なものはどれか。
- 上流工程で仕様を厳密に確定してから設計する
- 文書化を重視してウォーターフォール的に進める
- 短いサイクルで開発と改善を繰り返す
- 後工程でまとめてテストを実施する
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ：短いサイクルで開発と改善を繰り返す」です。アジャイル開発は、従来のウォーターフォール型のように要件定義からリリースまで一括で進めるのではなく、短い期間（スプリント）で設計・開発・テスト・フィードバックのサイクルを繰り返しながら、柔軟かつ段階的にシステムを完成させていく開発手法です。
このように小さな単位で頻繁にリリースを行うことで、顧客とのコミュニケーションが活発になり、仕様変更にも柔軟に対応できます。たとえば、日常で言えば、完成形を一度に作るのではなく、試作品を何度も見せて確認を取りながら改良していくようなイメージです。このような方法は、変化の激しい現場や顧客のニーズが明確でない場面において特に効果的です。
- ア(上流工程で仕様を厳密に確定してから設計する):
これはウォーターフォール型開発の特徴であり、アジャイルでは柔軟な仕様変更を許容するため、最初に仕様を厳密に決めることはしません。 - イ(文書化を重視してウォーターフォール的に進める):
アジャイルでは過剰な文書化を避け、対話を重視するため、この選択肢はアジャイルの特徴とは逆の内容です。 - エ(後工程でまとめてテストを実施する):
アジャイルでは開発のたびに継続的なテストを行うのが基本であり、後工程にテストをまとめるのはウォーターフォール的な考え方です。
難易度
アジャイル開発の基本的な特徴を問う問題で、ソフトウェア開発の手法に少しでも触れたことがあれば正解しやすい内容です。初心者でもアジャイルの概要さえ理解していれば選択肢の比較で正答できるため、難易度は「易しい」レベルです。
用語補足
アジャイル開発：
仕様変更や要望の変化に柔軟に対応するため、短期間で開発とフィードバックを繰り返す開発手法です。代表例にScrumやXPがあります。
ウォーターフォールモデル：
要件定義、設計、実装、テスト、運用といった工程を一方向に進める開発手法で、変更に弱いのが欠点です。
スプリント：
アジャイル開発における一定期間（通常1～4週間）の作業サイクルで、計画・実装・テスト・レビューを繰り返します。
対策
アジャイル開発の特徴を、ウォーターフォールモデルと対比しながら覚えると効果的です。短いサイクル、継続的なフィードバック、顧客との対話などキーワードを押さえ、代表的な手法（Scrumなど）も併せて理解しておくと良いでしょう。
