問題
問24
次のa~dのうち、サービスマネジメントの可用性管理に含まれる活動として、適切なものだけをすべて挙げた選択肢はどれか。
- a:サービスの停止時間を計測する
- b:可用性に関するSLAを定義する
- c:ソースコードの保守性を確認する
- d:冗長構成を設計する
- a, b
- a, b, d
- b, c, d
- a, c, d
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ:a, b, d」です。サービスマネジメントの可用性管理とは、システムやサービスがどれだけ長い時間、利用者にとって利用可能な状態を維持できるかを管理する取り組みです。
この目的のために、サービスのダウンタイム(停止時間)を正確に記録すること(a)は、可用性を定量的に把握する上で非常に重要です。また、bの「可用性に関するSLA(サービスレベル合意書)を定義する」ことも、サービス提供側と利用者側で期待値を明確にするために欠かせない作業です。
そしてdの「冗長構成を設計する」ことは、障害発生時でも別のシステムに自動的に切り替わるなどして、サービス停止を回避するための仕組みをつくる活動であり、可用性を高める典型的な方法の一つです。以上より、a, b, dの3つが正しく、可用性管理の範囲に該当します。
- ア(a, b):
可用性管理の基本ではあるものの、可用性向上に有効な「冗長構成の設計(d)」が含まれていないため不十分です。 - ウ(b, c, d):
cの「ソースコードの保守性の確認」は開発や品質保証の領域であり、可用性管理の直接的な対象ではありません。 - エ(a, c, d):
cが誤って含まれているため不正解です。bの「SLA定義」が抜けている点も可用性管理としては不備があります。
難易度
この問題は、可用性管理に関わる具体的な活動を理解していれば正答可能ですが、cのような紛らわしい選択肢に惑わされやすいため、初心者にとっては中程度の難易度です。SLAや冗長構成などの用語に慣れているかがポイントです。
用語補足
可用性管理:
システムやサービスが常に利用可能な状態を保つことを目的とした管理活動です。システムが「止まらずに動き続ける」ようにすることが重要です。
SLA(サービスレベル合意書):
サービス提供者と利用者の間で取り決めるサービスの品質や可用性などの基準を明記した文書で、例えば「月間稼働率99.9%以上」などが含まれます。
冗長構成:
システム障害時に備えて、バックアップ用の機器やネットワークをあらかじめ用意しておく構成です。例として、サーバを2台用意して片方が故障してももう片方で継続できる仕組みがあります。
対策
可用性管理はサービス運用に欠かせない考え方ですので、SLA、停止時間の記録、冗長構成など関連キーワードとその役割をセットで覚えると効果的です。過去問を活用し、可用性以外の管理活動との違いも整理しましょう。