問題
問21
WBS(Work Breakdown Structure)を作成する主な目的として、最も適切なものはどれか。
- プロジェクト関係者の一覧を作成するため
- 成果物の品質を評価するため
- 作業を階層構造で分解して管理しやすくするため
- 納品物の法的要件を明確にするため
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正解
正解は「ウ」です。
解説
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトにおける作業を階層構造で細かく分解し、全体のタスクを明確にする手法です。この手法により、作業の抜けや重複を防ぎ、責任範囲やスケジュールの管理をしやすくなります。
例えば、大きなパズルを小さなピースに分けるように、プロジェクトを細分化することで、全体像を把握しながら個別の作業を管理できるようになります。この分解によって、担当者ごとに作業を割り当てたり、進捗をチェックしたりするのが容易になるため、プロジェクトマネジメントにおいて非常に重要なステップです。従って、「作業を階層構造で分解して管理しやすくするため」が正しい目的となります。
- ア(プロジェクト関係者の一覧を作成するため):
関係者の一覧はRACIマトリクスなど他の管理手法で扱うものであり、WBSの主目的ではありません。 - イ(成果物の品質を評価するため):
品質評価は品質マネジメント計画などに基づいて行われるもので、WBSは主に作業分解のためのツールです。 - エ(納品物の法的要件を明確にするため):
法的要件の明確化は契約や法務部門で扱うものであり、WBSの直接的な目的ではありません。
難易度
この問題はWBSの基本的な役割を問うものであり、プロジェクトマネジメントに関する知識の初歩が求められます。WBSの定義を正しく理解していれば確実に正解できるため、難易度は「易しい」と言えます。
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用語補足
WBS(Work Breakdown Structure):
プロジェクトの作業を階層構造に分解した図や表で、作業の抜けや重複を防ぎ、進捗管理を容易にするために使われます。
プロジェクトマネジメント:
プロジェクトを計画・実行・監視・完了まで管理することで、目標達成を目指す手法のことです。WBSはその中でも計画フェーズで重要な役割を持ちます。
階層構造:
全体を親子関係で段階的に細分化する構造です。例として「会社→部門→チーム→メンバー」といった構成があります。
対策
WBSの目的や特徴を正確に理解するためには、プロジェクトマネジメントの全体像を押さえた上で、WBSがどのフェーズで使われるのかを具体例とともに学ぶことが効果的です。実際にWBSを描いてみる訓練もおすすめです。