問題
問17
プロジェクトで“リスク移転”に該当する対応はどれか。
- 損害保険を契約してリスクに備える
- タスクを他のメンバーに渡す
- リスクを分析し発生率を予測する
- リスクに関係なくプロジェクトを進める
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正解
正解は「ア」です。
解説
この問題は、リスク対応の一種である「リスク移転」に関する理解を問うものです。「リスク移転」とは、自社では対応が困難または損失が大きすぎるリスクについて、そのリスクに対して責任や影響を第三者へ委ねることを意味します。
代表的な例が損害保険の加入です。保険に入ることで、リスクが現実化した場合の金銭的損害を保険会社が補償してくれるため、企業はリスクの影響を回避できます。正解の「損害保険を契約してリスクに備える」はまさにこのリスク移転の典型例です。
イ(タスクを他のメンバーに渡す):
これはリスク移転ではなく「責任の分担」や「作業割当の変更」に該当します。リスクそのものの影響が軽減されていないため、移転とは言えません。
ウ(リスクを分析し発生率を予測する):
これは「リスクの分析・評価」にあたり、リスクに対して備える準備段階です。移転には該当しません。
エ(リスクに関係なくプロジェクトを進める):
これはリスクに対する「無視」や「受容」とも取れる行動であり、リスク対応としては不適切です。
難易度
この問題は、ITプロジェクトにおけるリスクマネジメントの用語を正しく理解しているかを問う基本的な問題です。選択肢も典型的な例が並んでおり、初心者にとっても用語の意味を覚えていれば容易に正答できるレベルです。
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用語補足
リスク移転:
発生したリスクによる損害や影響の責任を第三者に委ねること。例として損害保険の契約や外部業者への委託などがあります。
リスク分析:
プロジェクトの実行に伴って発生する可能性のある問題を洗い出し、影響度や発生確率を評価することです。
リスクマネジメント:
リスクの特定、評価、対応の計画、そしてその監視など、リスクを統制するための体系的な活動を指します。
対策
リスクマネジメントの各用語は試験で頻出ですので、「回避」「移転」「軽減」「受容」などの基本的な対応策を事例とともに覚えることが重要です。損害保険や外注といった具体例に置き換えて考えると理解が深まります。