問題
問14
“サービスレベル合意書(SLA)”に記載されるべき事項として、最も適切なものはどれか。
- 顧客の経営戦略
- システムのIPアドレス詳細
- 提供するサービスの品質や可用性基準
- 取引先企業の株価
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解の「ウ」は、SLA(サービスレベル合意書)に記載されるべき内容として最も適切です。SLAとは、ITサービスの提供者と利用者の間で交わされるサービスの品質や可用性、対応時間などのレベルを明記した文書です。
たとえば「99.9%以上の稼働率を保証する」「障害発生時は1時間以内に対応する」などが記載されます。これにより、サービス提供者は一定のサービス水準を守る義務が発生し、利用者はそれを基準に満足度や信頼性を判断できます。
日常生活で言えば、宅配サービスが「翌日までに必ず届ける」と保証しているのと似ており、契約の明確化が目的です。SLAはITサービスマネジメントの中核的な要素であり、提供側と受益側の信頼関係を保つためにも重要な役割を果たします。
ア(顧客の経営戦略):
SLAはサービス提供の内容や水準に関するものであり、顧客側の経営戦略のような内部情報は通常含まれません。
イ(システムのIPアドレス詳細):
SLAはシステム設計の詳細よりも、提供されるサービスの品質や可用性に焦点を当てた文書です。IPアドレスのような技術的詳細は他の文書で管理されます。
エ(取引先企業の株価):
取引先企業の株価はSLAとは無関係であり、契約上のサービス条件や品質とは関係のない情報です。
難易度
この問題はITサービスマネジメントの基本的な知識を問うものであり、SLAという用語の意味を理解していれば容易に正解できる内容です。初心者でも学習済みであれば比較的容易に正答できるレベルです。
用語補足
SLA(サービスレベル合意書):
ITサービス提供者と利用者の間で、提供されるサービスの内容や品質、可用性などのレベルを取り決めた文書です。稼働率や応答時間などが明記されます。
可用性:
システムやサービスが使用可能な状態にあることを指します。たとえば、稼働率99.9%のシステムは、1年間で約8時間45分程度しか停止しないことを意味します。
ITサービスマネジメント:
ITサービスの提供・運用・管理を効率的かつ効果的に行うための考え方や手法です。SLAの作成やインシデント管理もその一部です。
対策
SLAに関する問題はITサービスマネジメントの基本事項として頻出です。まずはSLAの定義と目的、記載される内容(可用性、応答時間、稼働率など)をしっかり覚えましょう。過去問でも繰り返し出題されているため、用語の意味だけでなく、実際の運用イメージを持っておくと理解が深まります。


