問題
問10
“リスク対応策”の一つである“回避”に該当するものはどれか。
- 高リスク作業を別の手順に置き換える
- リスクを放置する
- リスク発生後に対処方法を検討する
- リスクの発生確率をモニタリングする
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正解
正解は「ア」です。
解説
リスク対応には大きく4つの戦略があり、その中の一つが「回避」です。回避とは、リスクそのものが発生しないように、計画や手順を見直すなどしてリスクの原因を取り除く対応方法です。今回の「高リスク作業を別の手順に置き換える」は、その典型例で、問題の根源に手を加えることでリスクを回避することが目的です。
例えば、高所作業というリスクのある業務を「地上作業に変更」するような対応は、まさにリスク回避に該当します。
一方、他の選択肢は「回避」ではなく、別のリスク対応に分類されます。「リスクを放置する」は「受容」、「発生後に対処を検討する」は「軽減」や「転嫁」ではなく、リスク管理としては遅れた対応であり望ましくありません。また、「モニタリング」はリスク対応の補助的な活動であり、発生防止とは異なります。したがって、正解は「ア:高リスク作業を別の手順に置き換える」です。
イ(リスクを放置する):
リスクを放置するのは「リスク受容」に該当します。回避ではなく、発生する可能性をそのまま受け入れる態度であり、リスク管理上の最終手段です。
ウ(リスク発生後に対処方法を検討する):
これはリスクが現実化した後の対応であり、「軽減」や「転嫁」とは異なり、そもそも回避ではありません。事前の対策ではなく、事後の対処です。
エ(リスクの発生確率をモニタリングする):
モニタリングはリスクの兆候を早期に発見するための活動であり、リスクを「回避」する手段そのものではありません。
難易度
この問題の難易度は「やや易しい」と言えます。リスク対応策はITパスポート試験でも頻出のテーマであり、「回避・軽減・受容・移転」といった分類を覚えていれば正解しやすい問題です。ただし、選択肢が似た表現になっているため、意味の違いをしっかり理解しておくことが必要です。
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用語補足
リスク回避:
リスクが発生しないように、業務プロセスや作業内容そのものを変更してリスクの根本原因を除去する方法です。
リスク受容:
リスクを受け入れ、何の対応もせずにそのまま業務を進める選択です。リスクの影響が小さい場合に選ばれます。
リスクモニタリング:
リスクの発生状況や傾向を継続的に観察することで、早期発見や対応に備える活動です。
対策
リスク対応の4分類(回避・軽減・受容・移転)は、ITパスポート試験の定番問題です。それぞれの定義と具体例をセットで暗記しましょう。特に「回避」は、事前に対処するという性質があることを理解しておくことが大切です。