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シラバス6.3概要
ITパスポート試験のシラバス6.3は、試験の出題範囲や内容を定めた最新の指針で、2024年10月から適用されています。このバージョンでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、以下のような新しい知識や用語が追加・強化されました。
主な変更点:
- DX関連の知識の強化:
- 数理・データサイエンス・AIに関する用語の追加
- 環境問題や社会的責任に関する用語の追加
- 労働関連法規の追加
これらの変更により、試験範囲が拡大し、最新の技術動向や社会的課題への対応が求められるようになりました。受験者は、これらの新しいトピックについても学習を進めることが重要です。
詳細な変更点や追加された用語については、IPA(情報処理推進機構)の公式資料をご参照ください。
追加用語一覧【マネジメント系】
マネジメント系では、ソフトウェア開発管理技術、サービスマネジメントなどに関連する多くの用語が新たに追加されました。最新トレンドに関するキーワードに注目して用語を覚えていきましょう!
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ソフトウェア開発管理技術
MLOps
MLOps(エムエルオプス)とは、機械学習(ML)モデルの開発から運用までを一貫して効率的に管理する手法のことです。例えば、AIが需要予測を行うシステムを作る場合、開発後もデータの更新や性能チェック、モデルの再学習が必要になります。MLOpsはこの一連の作業を自動化・効率化する仕組みを指します。ソフトウェア開発におけるDevOpsの考え方を機械学習に適用したもので、AIを実用化するために不可欠なプロセスとして注目されています。
ユーザーストーリー
ユーザーストーリーとは、システムやアプリケーションの開発時に、ユーザーの立場から「何をしたいか」を短い文章で表現したものです。例えば、「私は本を探して、すぐに購入したい」といった形です。この方法により、開発チームはユーザー目線で機能を考えやすくなります。特にアジャイル開発で使われ、開発の優先順位付けや機能設計の指針となります。ユーザーストーリーをもとに、具体的な作業タスクへと落とし込んでいく流れが一般的です。
ふりかえり(レトロスペクティブ)
ふりかえり(レトロスペクティブ)とは、プロジェクトや開発の一区切りごとに、チームで「うまくいったこと」「改善すべきこと」を振り返り、次に活かすための話し合いをする活動です。例えば、1回のスプリントが終わった後、進め方やコミュニケーションに問題がなかったかを話し合います。ふりかえりを行うことで、チーム全体の成長や作業効率の向上が期待できます。アジャイル開発においては欠かせない重要なプロセスです。
継続的インテグレーション
継続的インテグレーション(CI)とは、ソフトウェア開発において、コードをこまめに統合(インテグレーション)し、自動的にテストする仕組みのことです。例えば、開発メンバーが新しい機能を追加したら、その都度テストを実施して不具合を早期に発見します。これにより、後になって大きな問題が発生するリスクを減らせます。GitHub ActionsやJenkinsなどのツールがよく使われています。品質向上と開発スピードの両立を目指す考え方です。
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スクラムチーム
スクラムチームとは、アジャイル開発手法の一つである「スクラム」において、製品開発を担当する少人数のチームのことです。通常、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発メンバーで構成されます。例えば、3~9人程度のチームで、短い期間(スプリント)ごとに成果物を作り上げていきます。スクラムチームは自己組織化されており、自分たちで進め方を考えながら柔軟に対応できる点が特徴です。迅速な開発と高いチーム力が求められます。
スプリント
スプリントとは、アジャイル開発のスクラム手法において、一定期間内に完了させるべき作業を集中的に行う短期的な作業サイクルのことです。例えば、2週間を1スプリントと定め、その間に「ログイン機能の完成」「商品一覧ページの実装」といった目標を達成します。スプリントの期間は固定され、終わったら成果物を確認し、次のスプリントへ進みます。短いサイクルを繰り返すことで、変化に素早く対応できる柔軟な開発が可能となります。
プロダクトバックログ
プロダクトバックログとは、開発する製品に必要なすべての機能や改良要望をリスト化したものです。例えば、「ユーザー登録機能を追加する」「検索機能を強化する」といった要件が順番に並べられています。このリストはプロダクトオーナーが管理し、重要度や緊急度に応じて優先順位をつけます。プロダクトバックログをもとに、スプリントごとの作業計画が立てられるため、製品開発の指針となる非常に重要なドキュメントです。
スプリントバックログ
スプリントバックログとは、プロダクトバックログの中から、特定のスプリント期間内に完了させる項目だけを抜き出して整理した作業リストです。例えば、今スプリントの目標が「ショッピングカート機能の実装」であれば、そのために必要なタスクが詳細にリストアップされます。スプリント期間中、チームはこのスプリントバックログに沿って作業を進め、進捗状況も逐次管理します。チームの自己管理力と透明性を高める役割を担います。
サービスマネジメント
SLA
SLA(Service Level Agreement)とは、サービス提供者と利用者の間で取り交わす「サービス品質に関する合意書」のことです。例えば、クラウドサービス会社と契約する際、「サービスの稼働率は99.9%以上を保証する」といった内容がSLAに記載されます。もしこの基準を下回った場合、利用料の一部返金などが規定されることもあります。SLAを設定することで、サービス品質の基準が明確になり、利用者は安心してサービスを利用できるようになります。
SLO
SLO(Service Level Objective)とは、サービスにおいて達成を目指すべき品質目標のことです。例えば、あるWebサービスが「1年間のサービス稼働率を99.95%にする」と設定した場合、その数値目標がSLOにあたります。SLA(契約)と違い、SLOは内部的な運用目標として使われることも多く、サービス改善や品質管理に役立ちます。チームはこの目標に向かって努力し、達成状況を定期的にモニタリングして品質を維持・向上させていきます。
SLI
SLI(Service Level Indicator)とは、サービスの品質を具体的な数値で測定する指標のことです。例えば、「平均応答時間が200ミリ秒以内」「エラーレートが0.1%以下」などがSLIにあたります。これらの指標をもとに、SLO(目標)やSLA(契約)が設定されます。SLIを継続的にモニタリングすることで、サービスの健全性を客観的に把握でき、問題発生時には迅速に対応することが可能になります。品質管理に欠かせない重要な要素です。
AIOps
AIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)とは、ITシステムの運用管理にAI(人工知能)を活用する考え方や仕組みのことです。例えば、大量のシステムログデータをAIが分析し、異常の兆候を早期に検出したり、自動で対応策を提案したりすることが可能になります。従来は人手で対応していた障害対応や運用監視を自動化・効率化できるため、大規模なシステム運用において注目されています。運用負担の軽減と迅速なトラブル対応が期待されています。
システム監査
ITマネジメント
ITマネジメントとは、情報システムやIT資源を効果的に管理・運用し、企業の目標達成に貢献する活動全般を指します。例えば、社内システムの導入計画を立てる、IT予算を管理する、セキュリティ対策を強化するなどの業務が含まれます。単なる技術管理だけでなく、経営戦略とITをどう結びつけるかが重要なポイントです。近年では、クラウド活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進においても、ITマネジメントの役割がますます重要になっています。
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