問題
問34
商品の販売数が700個のときの営業利益は表のとおりである。拡販のために販売単価を20%値下げしたところ,販売数が20%増加した。このときの営業利益は何か。ここで,商品1個当たりの変動費は変わらないものとする。

- 200,000
- 204,000
- 260,000
- 320,000
[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問34]
正解
正解は「イ」です。
解説
本問は、販売単価と販売数の変動が営業利益に与える影響を計算する、費用・量・利益分析(CVP分析)の問題です。
1. 現状の情報を整理し、単価と変動費を算出します。
現状:販売数 700個、売上高 700,000円、変動費 140,000円、固定費 300,000円、営業利益 260,000円。
(1) 現状の販売単価を計算します。
販売単価 = 700,000円 ÷ 700個 = 1,000円/個
(2) 1個当たりの変動費を計算します。(変動費/個は変わらないため、この値が重要です)
変動費/個 = 140,000円 ÷ 700個 = 200円/個
2. 変更後の条件を計算します。
(1) 販売単価を20%値下げします。
新単価 = 1,000円 × (1 – 0.20) = 800円/個
(2) 販売数が20%増加します。
新販売数 = 700個 × (1 + 0.20) = 840個
(3) 固定費は変わらず 300,000円です。1個当たりの変動費も変わらず 200円/個です。
3. 変更後の営業利益を計算します。
(1) 新売上高 = 800円 × 840個 = 672,000円
(2) 新変動費 = 200円 × 840個 = 168,000円
(3) 新営業利益 = 新売上高 – 新変動費 – 固定費
新営業利益 = 672,000円 – 168,000円 – 300,000円 = 204,000円
したがって、変更後の営業利益は204,000円となり、「イ」が正解です。
ア(200,000):
例えば、変動費の計算ミスなどによって導かれる可能性があります。
ウ(260,000):
現状の営業利益(250,000円)に近い値であり、計算手順や変動費の計算ミスによって導かれる可能性があります。
エ(320,000):
新売上高 672,000円から固定費 300,000円と現状の変動費 140,000円を引く(672,000-300,000-140,000=232,000)など、変動費の変動を無視した場合に導かれる可能性があります。
難易度
経営分析の計算問題の中では、標準的な難易度です。CVP分析(費用・量・利益分析)の基本的な手順、特に「変動費率」「販売単価」「固定費」を正確に分離・計算できるかが問われます。初学者にとっては、まず初期データから単位当たりの変動費を正確に求め、その後に新しい販売数と単価を適用して売上高と変動費を再計算するという手順を理解することが重要です。落ち着いて計算すれば確実に正解にたどり着けます。
用語補足
営業利益:
企業が本業の営業活動によって得た利益です。計算式は「売上高 – 総費用(変動費+固定費)」です。
変動費:
生産量や販売量に比例して増減する費用です。本問では1個あたり200円です。
固定費:
生産量や販売量に関わらず、ほぼ一定にかかる費用です。本問では300,000円です。
販売単価:
商品1個あたりに設定された販売価格です。計算上は、総売上高を販売数で割って求めます。
対策
利益計算問題では、まず「変動費」と「固定費」を明確に分けましょう。変動費については「1個当たりの費用」を計算し、販売数の増減に合わせて総額が変わることを把握することが成功の鍵です。固定費は販売数が変わっても一定として扱います。計算の際は、落ち着いて各数字を正確に導き出す手順を踏むことが重要です。

