問題
問21
コーポレートブランドを高める目的として,最も適切なものはどれか。
- 企業が有する独自のスキルや技術に基づいて,競合他社では提供が不可能な価値を顧客にもたらすことである。
- 企業名などから製品やサービスの品質イメージを連想させることで競争優位性をもたらすことである。
- 経営者や企業が社会に対して,企業の普遍的な価値観,企業活動の基本的な考え方を公表して,ステークホルダの共感を得ることである。
- 流通業者の主導権のもとで製造業者などと連携して開発し,生産される独自ブランドの商品を低価格で販売することである。
[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問21]
正解
正解は「イ」です。
解説
コーポレートブランド(Corporate Brand)とは、企業全体に対する信頼やイメージのことです。コーポレートブランドを高める目的は、その企業名やロゴ、製品群全体に対してポジティブなイメージを顧客や社会に持たせることで、競合他社に対する優位性を確立することにあります。選択肢「イ」にあるように、「企業名などから製品やサービスの品質イメージを連想させることで競争優位性をもたらすこと」は、まさにコーポレートブランドの目的を正確に表しています。ブランド力が高いと、顧客は安心してその企業の製品を選ぶようになり、多少価格が高くても購入されやすくなります。
これは、例えば、あるメーカーのスマートフォンを買うときに、そのメーカーが長年培ってきた「高品質で革新的な製品を作る企業」というイメージ(ブランド)があるからこそ、新製品が出た際にも信頼して購入する、といった状況と同じです。高いブランド力は、市場における競争力を大きく高める効果があります。
ア(企業が有する独自のスキルや技術に基づいて、競合他社では提供が不可能な価値を顧客にもたらすことである。):
これは主にコアコンピタンス(Core Competence:企業の核となる強み)の説明であり、ブランド自体を高める直接的な目的ではありません。
ウ(経営者や企業が社会に対して、企業の普遍的な価値観、企業活動の基本的な考え方を公表して…):
これは主にコーポレートアイデンティティ(CI)や企業のミッションに関する説明であり、コーポレートブランドを形成する要素ではありますが、目的としては競争優位性をもたらす「イ」の方がより適切です。
エ(流通業者の主導権のもとで製造業者などと連携して開発し、生産される独自ブランドの商品を低価格で販売することである。):
これはプライベートブランド(PB)やストアブランドの説明であり、企業全体のブランド(コーポレートブランド)の説明としては不適切です。
難易度
本問は、経営戦略の基本用語である「コーポレートブランド」の定義と目的を問う問題です。他の選択肢にはコアコンピタンスやプライベートブランド、CIといった関連用語の定義が紛れ込んでおり、それぞれの用語の区別がついていないと迷いやすいでしょう。しかし、コーポレートブランドが「企業全体のイメージ」による「競争優位性」を目的とすることを理解していれば、正解(イ)を特定できます。初心者にとっては、知識を正確に整理しておくことが重要です。
用語補足
コーポレートブランド:
企業全体に対して社会や顧客が持つ、信頼や品質、イメージなどの総体的な評価のことです。
コアコンピタンス:
他社には真似できない、企業独自の核となる強みや技術力のことで、競争優位性の源泉となります。
プライベートブランド(PB):
小売業者や流通業者が企画・開発し、その業者の名前を付けて販売する独自ブランドの商品です(例:スーパーの自社ブランド製品)。
ステークホルダ:
企業活動に関わる利害関係者全般のことです。顧客、従業員、株主、取引先、地域社会などが含まれます。
コーポレートアイデンティティ (CI):
企業の理念や特徴を明確にし、社会に示すことです。ロゴ、スローガン、デザインなどを通じて統一されたイメージを形成します。
対策
コーポレートブランド、プロダクトブランド、ストアブランドといった「ブランド」の種類と、コアコンピタンスやCI(コーポレートアイデンティティ)などの関連概念を区別して覚えることが対策のポイントです。コーポレートブランドの目的は、企業名そのものが持つ信頼性を利用して、製品の品質イメージを高め、競争上のメリットを得ることにあると認識しましょう。

