問題
問51
新しく開発した業務システムのテストに、利用部門の立場で参画することになった。利用部門の立場で確認すべき事項として、適切なものはどれか。
- 業務上の要件が満たされていること
- 個々のプログラムがプログラム仕様書どおりに動作すること
- システムが利用するネットワークの監視が決められた手順どおりに実施できること
- プログラム間のデータの受渡しが設計書の規定どおりに行われること
[出典:ITパスポート試験 平成30年度春期 問51]
正解
正解は「ア」です。
解説
正解は「ア 業務上の要件が満たされていること」です。 業務システム開発におけるテストには様々な段階がありますが、利用部門が参画するテストは、主に「受入れテスト」や「UAT(User Acceptance Test:ユーザー受入れテスト)」と呼ばれる最終段階のテストです。この段階の目的は、開発されたシステムが、実際に利用する部門の業務において、当初求められていた機能(業務要件)をすべて満たしているか、使いやすいか、問題なく業務が遂行できるかを確認することです。
例えば、新しいレジシステムを導入するとして、開発者が「ボタンがちゃんと押せるか」「金額が正しく計算されるか」といったプログラムの動作を確認するのに対し、実際にレジを使う店員さんは「お客様の支払いがスムーズに処理できるか」「セール品の割引が正しく適用されるか」「レシートがきちんと印刷されるか」など、日々の業務で必要な機能がきちんと動くかを確認します。このように、利用部門は、システムが自分たちの業務にとって本当に役立つかどうか、つまり「業務上の要件が満たされているか」を最も重視して確認します。
イ(個々のプログラムがプログラム仕様書どおりに動作すること):
これは「単体テスト」や「結合テスト」といった、開発者側の視点で行われるテストで確認する事項です。利用部門は、プログラムの内部仕様よりも、それが業務にどう影響するかに関心があります。
ウ(システムが利用するネットワークの監視が決められた手順どおりに実施できること):
これは「運用テスト」や「システムテスト」の一部として、主にシステム管理者や運用部門が確認する事項です。システムの安定稼働に関わる重要な側面ですが、利用部門が直接確認する業務要件とは異なります。
エ(プログラム間のデータの受渡しが設計書の規定どおりに行われること):
これは「結合テスト」で確認する事項であり、複数のプログラムが連携して正しく動作するかどうかを開発者側が確認するものです。利用部門は、プログラム内部の連携よりも、最終的な業務結果が正しいかどうかに関心があります。
難易度
この問題の難易度は比較的「易しい」です。システムの開発プロセスと各テスト段階の目的を理解していれば、利用部門が最終的に何を重視してテストするのかを判断しやすいからです。日頃からシステムを利用する立場であれば、自分たちが新しいシステムに何を求めるかを想像することで、正解にたどり着けるでしょう。ITパスポート試験の知識としては、システム開発ライフサイクルのテスト工程の理解がポイントとなります。
用語補足
利用部門:
実際にシステムを使うユーザー側の部署のことです。例えば、会社の販売管理システムであれば営業部や経理部が利用部門にあたります。
業務要件:
システムが解決すべき、利用者や組織が持つ具体的な業務上のニーズや目的のことです。「顧客情報を管理したい」「売上データを集計したい」といった、システムを使って何を達成したいかという要求を指します。
受入れテスト (UAT):
開発されたシステムが、利用者(ユーザー)の要求や業務要件をきちんと満たしているかを確認するための最終テストです。ユーザーが実際にシステムを操作し、期待通りの結果が得られるかを確認します。
プログラム仕様書:
プログラムがどのような機能を持つか、どのように動作するかを詳細に記述した文書です。主に開発者がプログラムを作成する際に参考にします。
対策
この問題を解くためのポイントは、システム開発における各テスト工程の目的と、それぞれの工程で誰がどのような視点でテストを行うかを理解することです。特に、「利用部門」が参画するテストは、システムが「業務に役立つか」という視点が最も重要になります。プログラムの内部動作やシステムの技術的な側面は開発者やシステム管理者の確認事項であり、利用部門はそれらが業務要件を満たしている結果として現れるかを重視します。過去問題で出題されるテストの種類(単体テスト、結合テスト、システムテスト、受入れテストなど)とそれぞれの目的を整理して覚えることが対策になります。

