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ITパスポート試験 平成30年度春期 [問43] 過去問解説

問題

問43

システム開発を示した図のアローダイアグラムにおいて、工程AとDが合わせて3日遅れると、全体では何日遅れるか。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

[出典:ITパスポート試験 平成30年度春期 問43]

正解

正解は「」です。

解説

 この問題は、アローダイアグラムにおけるクリティカルパスの概念と、各工程の余裕時間(フロート)を理解しているかを問うています。まず、初期状態のクリティカルパスを特定し、全体の所要日数を計算します。図から考えられる経路は以下の通りです(工程名とその所要日数を合算)。

  • A → E:2日 + 3日 = 5日
  • A → F:2日 + 1日 = 3日
  • B → E:4日 + 3日 = 7日
  • B → F:4日 + 1日 = 5日
  • C:7日
  • D → E:4日 + 3日 = 7日
  • D → F:4日 + 1日 = 5日

これらの経路の中で最も所要日数が長いのは7日(B→E、C、D→Eの3つの経路)ですので、初期のプロジェクト全体の所要日数は7日です。これがクリティカルパスとなります。 次に、「工程AとDが合わせて3日遅れる」という条件を考えます。工程Aはクリティカルパス上にないため、ある程度の遅延は許容されます。工程Aを含む最長経路(A→E)は5日であり、クリティカルパスの7日との差は7日 – 5日 = 2日です。これは、工程Aが最大2日まで遅れても、プロジェクト全体の完了日に影響しないことを意味します。

 ここで、合計3日の遅延を工程AとDに割り振ることを考えます。プロジェクト全体の遅延を最小にするためには、まず工程Aの余裕時間を最大限に使い切ります。工程Aが2日遅れても、プロジェクト全体の所要日数は7日のままです。そうすると、合計3日の遅延のうち2日を工程Aに割り振ったので、残りの1日の遅延を工程Dに割り振ることになります。 工程Dはクリティカルパス(D→E)上にありますので、工程Dが1日遅れると、クリティカルパスも1日遅延します。つまり、D→Eの経路は4日 + 1日(遅延分) + 3日 = 8日となります。他のクリティカルパス(B→E、C)は7日のままです。

 したがって、新しいプロジェクト全体の所要日数は8日となり、初期の7日と比較して8日 – 7日 = 1日遅れることになります。このように、余裕時間を考慮して遅延を配分すると、プロジェクト全体の遅延は最小限に抑えられ、1日となります。

イ(2):
 2日の遅延は、工程Aが2日遅延し、かつ工程Dも2日遅延した場合や、工程Dが2日遅延し、工程Aが0日遅延した場合などに発生する可能性がありますが、設問の条件と正解とは異なります。
ウ(3):
 3日の遅延は、工程Dが3日遅延し、工程Aが0日遅延した場合に発生します。しかし、この問題では、工程Aの余裕時間を考慮して遅延を配分することで、プロジェクト全体の遅延を最小限に抑えるのが適切な解釈です。
エ(4):
 4日の遅延は、工程AとDの合計遅延が3日という条件では発生しません。

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難易度

 この問題は、プロジェクト管理におけるアローダイアグラムの基本的な理解と、クリティカルパスおよびフロート(余裕時間)の計算能力が問われる中程度の難易度です。特に、「工程AとDが合わせて3日遅れる」という問題文の表現を、プロジェクト全体の遅延を最小化するような遅延の配分として解釈できるかがポイントとなります。初学者にとっては、この解釈がやや難しいと感じるかもしれません。

用語補足

アローダイアグラム:
 プロジェクトの各作業(工程)の順序関係と所要時間を矢印と丸(ノード)で図示したものです。プロジェクト全体のスケジュールを視覚的に把握し、計画を立てるために使われます。例えば、お菓子作りで「生地をこねる」「生地を焼く」「デコレーションする」といった作業の繋がりと、それぞれの時間を示す図のようなものです。

クリティカルパス:
 アローダイアグラムにおいて、プロジェクト開始から完了までの経路の中で、最も所要時間が長い経路を指します。この経路上の作業が少しでも遅れると、プロジェクト全体の完了日が直接遅れてしまいます。お菓子作りの例で言えば、オーブンで焼く時間が一番長く、この時間が遅れると、お菓子が完成する時間も遅れてしまう、といった最長の工程の連鎖です。

フロート(余裕時間):
 クリティカルパス以外の経路にある作業が、プロジェクト全体の完了日に影響を与えることなく遅延できる最大時間のことです。フロートがある作業は、多少遅れても他の作業やプロジェクト全体に影響が出ません。例えば、お菓子作りのデコレーションは、焼き上がるまでの間ならある程度自由に時間を調整できる余裕がある、といったイメージです。

工程:
 プロジェクトを構成する個々の作業やタスクのことです。アローダイアグラムでは、この工程が矢印で表現され、所要時間が割り当てられます。例えば、家を建てるプロジェクトであれば、「設計」「基礎工事」「骨組み」「内装」などがそれぞれ一つの工程となります。

対策

 この問題を解くためには、まずアローダイアグラムから全ての経路を洗い出し、それぞれの所要時間を計算して、プロジェクト全体の所要日数(クリティカルパス)を特定する練習が重要です。次に、クリティカルパス上にない工程には「フロート(余裕時間)」があることを理解し、その余裕日数を計算できるようにしましょう。問題文の「合わせて〇日遅れる」という表現は、遅延をプロジェクト全体に影響を及ぼさない範囲で配分する、というプロジェクト管理の考え方を適用することが求められます。練習問題を通じて、様々な遅延シナリオを想定し、最終的なプロジェクト完了日への影響を正確に判断する力を養うことが対策となります。


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