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ITパスポート試験 平成30年度春期 [問12] 過去問解説

問題

問12

バリューチェーンの説明として、適切なものはどれか。

  • 企業が提供する製品やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析するための考え方である。
  • 企業内部で培った中核的な力(企業能力)のことであり、自社独自の価値を生み出す源泉となるものである。
  • 製品や市場は必ず誕生から衰退の流れをもち、その段階に応じてとるべき戦略が異なるとする考え方である。
  • 全社的な観点から製品又は事業の戦略的な位置付けをして、最適な経営資源の配分を考えようとするものである。

[出典:ITパスポート試験 平成30年度春期 問12]

正解

正解は「」です。

解説

 バリューチェーンとは、企業が顧客に製品やサービスを提供するまでの一連の活動を、価値の連鎖(チェーン)として捉え、どの活動でどのような価値が生まれているかを分析する経営分析手法のことです。具体的には、製品の製造や販売、物流などの「主活動」と、人事管理、技術開発、調達などの「支援活動」に分け、それぞれの活動がどれだけの付加価値を生み出し、どれだけのコストがかかっているかを可視化します。これにより、企業の強みや弱みを把握し、競争優位性を高めるための改善点を見つけ出すことができます。

 例えば、あるメーカーが製品を作る際、部品の仕入れ、組み立て、品質検査、販売、アフターサービスといった各工程で、製品にどのような価値が加わり、コストが発生しているかを詳しく見ていくことで、無駄を省いたり、より高い価値を生む工程に力を入れたりする方針を立てることが可能です。選択肢アは、このバリューチェーンの考え方を正確に説明しています。

イ(企業内部で培った中核的な力(企業能力)のことであり、自社独自の価値を生み出す源泉となるものである。):
 この説明は「コアコンピタンス」に該当します。コアコンピタンスとは、他社には真似できない、顧客に特別な価値を提供する企業独自の強みのことです。
ウ(製品や市場は必ず誕生から衰退の流れをもち、その段階に応じてとるべき戦略が異なるとする考え方である。):
 この説明は「プロダクトライフサイクル」に該当します。プロダクトライフサイクルとは、製品が市場に登場してから姿を消すまでの変化を段階で捉える考え方です。
エ(全社的な観点から製品又は事業の戦略的な位置付けをして、最適な経営資源の配分を考えようとするものである。):
 この説明は「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」に該当します。PPMは、複数の事業や製品の組み合わせと、それらへの経営資源の最適な配分を決定するためのフレームワークです。

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難易度

 この問題は、ITパスポート試験のストラテジ系で頻出する経営戦略に関する基本用語の知識を問うものです。バリューチェーンという用語の定義を正確に理解していれば、比較的容易に正解にたどり着けるでしょう。選択肢には関連性の高い他の経営戦略用語も含まれているため、それぞれの用語の意味をきちんと区別できているかがポイントとなります。

用語補足

バリューチェーン:
 企業が製品やサービスを顧客に届けるまでの一連の活動を、価値が生まれる連鎖として分析する手法です。例えば、パン屋さんの場合、小麦の仕入れ、パンの製造、店舗での販売、レジでの会計といった各工程が、パンにどのような価値を加え、どのようなコストがかかっているかを洗い出します。

コアコンピタンス:
 企業が他社には真似できない、独自の優れた能力や技術のことです。これがあることで、企業は競争において優位に立つことができます。例えば、「他社よりも圧倒的に長持ちする電池を作る技術」や「顧客の細かい要望に合わせて商品をカスタマイズする能力」などです。

プロダクトライフサイクル:
 製品が市場に登場してから消えていくまでの過程を、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの段階で捉える考え方です。スマートフォンの新機種が発売されて人気を集める時期が成長期で、時間が経つと成熟期や衰退期に入っていきます。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント):
 企業が持つ複数の事業や製品を、市場での成長率と自社のシェアの高さで分類し、経営資源(お金や人材など)をどこに集中させるかを決める手法です。例えば、売上は安定しているけど成長は期待できない事業を「金のなる木」と呼び、そこから得た利益を、将来性はあるけれどまだ利益が出ていない新しい事業(「問題児」)に投資する、といった戦略を立てます。

対策

 この問題のように、経営戦略の用語の定義を問う問題はITパスポート試験でよく出題されます。正解であるバリューチェーンだけでなく、不正解の選択肢に登場するコアコンピタンス、プロダクトライフサイクル、PPMといった重要用語も、それぞれが何を指すのかを正確に理解しておくことが重要です。用語を丸暗記するだけでなく、具体的な企業の活動や製品の例と結びつけて覚えることで、深い理解につながります。過去問を繰り返し解き、各用語のニュアンスの違いを掴む練習をしましょう。


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