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ITパスポート試験 平成30年度秋期 [問95] 過去問解説

問題

問95

ターボブーストとも呼ばれるコンピュータの処理性能向上技術に関する説明はどれか。

  • CPUと主記憶の間に配置して、主記憶の読み書きの遅さを補う。
  • CPU の許容発熱量や消費電力量に余裕があるときに、コアの動作周波数を上げる。
  • 演算を行う核となる部分を CPU 内部に複数もち、複数の処理を同時に実行する。
  • 複数のコンピュータのCPUを共有して、膨大な量の処理を分散して実行する。

[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問95]

正解

正解は「」です。

解説

 正解は選択肢イです。ターボブーストは、CPUの性能を一時的に引き上げる技術です。CPUは普段、安全に動作するために決められた標準的な速度(動作周波数)で動いています。しかし、すべての作業が常にCPUを限界まで使うわけではありません。余裕がある時には、もっと速く動けるポテンシャルを秘めているのです。ターボブーストは、この「余裕」を見計らって、CPUの動作周波数を一時的に引き上げます。

 これにより、例えば複雑な計算やグラフィック処理など、特に高い処理能力が必要な作業を短時間で終えることができるようになります。ちょうど、自動車が通常は法定速度で走っているけれど、追い越しや坂道を登るときだけ一時的に加速するようなイメージです。CPUの温度や消費電力の上限を超えない範囲で、自動的に行われる賢い機能と言えます。

ア(CPUと主記憶の間に配置して、主記憶の読み書きの遅さを補う。):
 これはキャッシュメモリの役割に関する説明です。キャッシュメモリは、CPUと主記憶装置の間の速度差を埋めるために高速なメモリを配置し、よく使うデータを一時的に保存することで処理速度を向上させます。
ウ(演算を行う核となる部分を CPU 内部に複数もち、複数の処理を同時に実行する。):
 これはマルチコアプロセッサ(多コアCPU)に関する説明です。CPU内部に複数の処理回路(コア)を持つことで、複数のタスクを同時に処理する能力を高めます。
エ(複数のコンピュータのCPUを共有して、膨大な量の処理を分散して実行する。):
 これは分散処理やグリッドコンピューティングに関する説明です。複数のコンピュータが連携して一つの大きな処理を分担することで、全体の処理能力を向上させます。

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難易度

 この問題の難易度は、ITパスポート試験の学習を始めたばかりの初心者の方にとっては中程度と言えるでしょう。CPUの基本的な仕組みや、性能向上技術に関する知識が問われています。ターボブーストという用語自体は聞いたことがあっても、その具体的な動作原理を正確に理解していないと、他の選択肢と混同してしまう可能性があります。特に、キャッシュメモリやマルチコア、分散処理といった関連用語との違いをしっかり把握しておくことが重要になります。

用語補足

CPU:
 Central Processing Unit(中央処理装置)の略で、コンピュータの脳みそにあたる部分です。計算やデータの処理、指示の実行など、ほとんどすべての情報処理を行います。例えば、スマートフォンのアプリが動いたり、パソコンで文書を作成したりするのも、CPUが指示を処理しているからです。

主記憶(メインメモリ):
 コンピュータが現在処理中のデータやプログラムを一時的に保存しておく場所です。RAM(Random Access Memory)とも呼ばれます。CPUが直接アクセスして高速にデータを読み書きするため、作業効率に大きく影響します。例えるなら、机の上で作業するスペースのようなもので、広ければ広いほど多くの資料を広げて効率よく作業できます。

コア:
 CPUの内部にある、実際に計算やデータ処理を行う核となる部分です。かつてCPUは1つのコアで処理していましたが、現在は複数のコアを持つ「マルチコアCPU」が主流です。例えるなら、1人で作業するよりも、複数の人が同時に作業することで、より多くのタスクをこなせるようになるのと同じです。

ターボブースト:
 Intel社が開発した、CPUの性能を一時的に向上させる技術です。CPUの温度や消費電力に余裕がある場合、定格周波数(普段の速度)を超えて動作周波数を自動的に引き上げます。これにより、重い処理を短時間で終わらせることができます。例えるなら、普段は穏やかに走る車が、ここぞという時に一時的にターボを効かせて加速するようなイメージです。

対策

 この問題を解くためのポイントは、CPUの性能に関する様々な技術の違いを明確に理解することです。ターボブーストは「一時的な加速」という特徴を持つため、キャッシュメモリの「速度差補完」、マルチコアの「同時並行処理」、分散処理の「複数コンピュータ連携」といった各技術の役割と効果を区別して覚えることが重要です。それぞれの技術がコンピュータのどの部分に作用し、どのような目的で使われるのかを具体的なイメージと一緒に学習すると、記憶に残りやすくなります。


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