問題
問54
プロジェクトの計画段階で行う作業で、プロジェクトで実施しなければならない全ての作業を洗い出し階層構造に整理し、同時にプロジェクトの管理単位を明確化する手法はどれか。
- CRM
- ERP
- PPM
- WBS
[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問54]
正解
正解は「エ」です。
解説
正解はエのWBSです。WBSは「Work Breakdown Structure(作業分解構成図)」の略で、プロジェクト全体を構成する作業を、成果物を基準に細かく分解し、階層構造で整理する手法のことを指します。これにより、プロジェクトで何をすべきか、どのような順序で進めるか、誰が担当するかといった作業の単位を明確にできます。
例えば、新しいウェブサイトを構築するプロジェクトの場合、まず「企画」「設計」「開発」「テスト」「公開」といった大きなフェーズに分け、さらに「設計」フェーズを「データベース設計」「UI設計」「システム構成設計」といった具合に細分化していきます。このように作業を分解していくことで、全体の作業漏れを防ぎ、各タスクの責任者や期間、費用を明確にすることが可能になります。プロジェクトの計画段階でWBSを作成することで、全体のスコープ(範囲)を正確に把握し、進捗管理やリスク管理が非常にしやすくなるため、問題文の記述に最も合致する手法と言えます。
ア(CRM):
CRMは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略で、顧客との関係構築や維持を目的とした経営戦略やシステムを指します。プロジェクトの作業を分解・整理する手法ではありません。
イ(ERP):
ERPは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、企業の経営資源を一元的に管理し、経営の効率化を図るためのシステムです。WBSのようにプロジェクトの作業を階層的に分解する手法とは異なります。
ウ(PPM):
PPMは「Project Portfolio Management(プロジェクトポートフォリオ管理)」の略で、複数のプロジェクト全体を戦略的に管理する手法です。個別のプロジェクトの作業を分解するよりも上位の概念であり、問題の記述とは異なります。
難易度
この問題は、プロジェクトマネジメントの基礎知識を問うものであり、ITパスポート試験では頻出のテーマです。WBSの定義を知っていれば比較的容易に解答できるでしょう。各選択肢の略語と意味を正確に把握しているかがポイントとなります。もし、これらの用語を初めて見る場合でも、それぞれの概念をしっかり理解すれば、今後の学習にも役立つ重要な問題と言えます。
用語補足
CRM:
「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略で、顧客との良好な関係を築き、維持・発展させることで、企業の収益向上を目指す経営戦略や、それを支援する情報システムのことです。例えば、顧客の購買履歴や問い合わせ情報を一元管理し、個別のニーズに合わせたサービスを提供することで、顧客満足度を高めます。
ERP:
「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、企業の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を統合的に管理し、企業活動全体の最適化と効率化を図るためのシステムです。例えば、販売、生産、会計、人事などの部門の情報を一つのシステムで連携させ、経営状況をリアルタイムに把握できるようにします。
PPM:
「Project Portfolio Management(プロジェクトポートフォリオ管理)」の略で、企業が抱える複数のプロジェクトやプログラム全体を俯瞰し、戦略的な優先順位付けや資源配分を行うことで、企業全体の目標達成を最大化するマネジメント手法です。例えば、複数の新規事業案件の中から、会社の長期目標に最も貢献するプロジェクトを選び、予算を集中させる意思決定プロセスを指します。
WBS:
「Work Breakdown Structure(作業分解構成図)」の略で、プロジェクトで実施する全ての作業を、成果物を基準にして階層的に細分化し、構造化する手法です。例えば、新しいソフトウェアを開発するプロジェクトで、「設計」「プログラミング」「テスト」といった大きな作業を、さらに「機能Aの設計」「機能Aのプログラミング」のように細かく分解して管理しやすくします。
対策
この問題を解くためのポイントは、プロジェクトマネジメントにおける各手法の「目的と役割」を正確に理解することです。特に、WBSはプロジェクトの計画段階で「全ての作業を洗い出し、階層構造に整理し、管理単位を明確化する」ためのツールであることを覚えることが重要です。他の選択肢も重要な用語ですが、それぞれ異なる目的を持っています。学習の際は、略語だけでなく正式名称とその意味、そして具体的な活用例をセットで覚えるようにしましょう。過去問題を繰り返し解き、用語がどのような文脈で使われるかを把握する練習も効果的です。

