問題
問47
IT サービスを提供するために、データセンタでは建物や設備などの資源を最適な状態に保つように維持・保全する必要がある。建物や設備の維持・保全に関する説明として、適切なものはどれか。
- IT ベンダと顧客の間で不正アクセスの監視に関するサービスレベルを合意する。
- 自家発電機を必要なときに利用できるようにするために、点検などを行う。
- 建物の建設計画を立案し、建設工事を完成させる。
- データセンタで提供している IT サービスに関する、利用者からの問合せへの対応、一次解決を行う。
[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問47]
正解
正解は「イ」です。
解説
データセンタにおける建物や設備の「維持・保全」とは、それらが常に正常に機能し、ITサービスを安定的に提供できるように管理することです。選択肢イの「自家発電機を必要なときに利用できるようにするために、点検などを行う」は、この維持・保全の具体的な活動の一つです。自家発電機は、停電などの緊急時に電力供給を継続し、システムのダウンを防ぐための重要な設備です。定期的な点検やメンテナンスを行うことで、いざという時に確実に稼働できるように保つことが、データセンタの運用において不可欠な維持・保全活動と言えます。
例えば、自動車の定期点検と同じで、故障なく安全に使い続けるために必要なことです。これにより、ITサービスが途切れることなく提供され、ビジネス活動がスムーズに継続されます。
ア(IT ベンダと顧客の間で不正アクセスの監視に関するサービスレベルを合意する。):
これはサービスレベル合意書(SLA)や情報セキュリティ管理に関する説明であり、建物や設備の物理的な維持・保全活動ではありません。
ウ(建物の建設計画を立案し、建設工事を完成させる。):
これはデータセンタの「建設」に関する活動であり、「維持・保全」は建設後の運用段階で行われる活動のため異なります。
エ(データセンタで提供している IT サービスに関する、利用者からの問合せへの対応、一次解決を行う。):
これはサービスデスクやインシデント管理に関する活動であり、建物や設備の物理的な維持・保全活動ではありません。顧客対応はITサービスマネジメントの一環です。
難易度
この問題の難易度は比較的「易しい」と言えるでしょう。ITパスポートの学習を始めたばかりの初心者でも、常識的な判断で正解にたどり着きやすい問題です。「維持・保全」という言葉の意味を理解していれば、どの選択肢がそれに該当するかを判断できます。データセンタの具体的な運用知識がなくても、一般的な設備の管理をイメージできれば、適切な選択肢を選べます。
用語補足
データセンタ:
サーバやネットワーク機器などのIT設備を集中的に設置し、安全かつ安定的に運用するための施設です。例えるなら、会社全体の情報システムを収容する「心臓部」のような場所です。
維持・保全:
設備やシステムが常に正常な状態を保ち、性能を維持できるように、点検、修理、清掃などを行う活動です。例えば、自宅のエアコンを定期的に掃除したり、自動車を車検に出したりするのと同じです。
サービスレベル合意書(SLA):
サービス提供者と顧客の間で、提供するサービスの品質基準(稼働時間、応答速度、サポート内容など)について合意した文書です。例えば、インターネットプロバイダと契約する際に、どれくらいの速度を保証するかを決める約束事のようなものです。
自家発電機:
停電時に自動的に起動し、電力を供給するための発電設備です。例えば、大規模な病院やデータセンタなどで、電力供給が途絶えることのないように設置されています。
対策
この問題は、データセンタにおける「維持・保全」というキーワードを正しく理解しているかがポイントです。維持・保全は、システムや設備が「常に動き続ける」ことを目的とした活動であり、物理的な点検や整備が含まれます。各選択肢がどのようなITILプロセスや活動に該当するかを把握していれば、より確実に正解を選べます。特に、「建設」や「顧客対応」など、目的が異なる活動との区別を明確にすることが重要です。

