問題
問36
プロジェクトにおけるスコープの変更に該当するものとして、最も適切なものはどれか。
- プロジェクトで利用する開発場所の変更
- プロジェクトに参画する開発メンバの追加
- プロジェクトの一部の作業の外注先の変更
- プロジェクトの作業に、顧客が行う運用テストの支援を追加
[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問36]
正解
正解は「エ」です。
解説
プロジェクトにおけるスコープとは、プロジェクトで達成すべき目標や、その目標を達成するために作成される具体的な成果物、そしてその成果物を作成するために必要な作業の範囲を指します。つまり、「何を」「どこまで」やるのかを明確にするものです。 正解の「エ」は、当初のプロジェクト計画には含まれていなかった「顧客が行う運用テストの支援」という新たな作業がプロジェクトに追加されることを意味します。これにより、プロジェクトの作業範囲、すなわちスコープが拡大・変更されることになります。
例えば、当初はシステムを開発して引き渡すまでがプロジェクトの範囲だったのに、顧客の運用開始まで手厚くサポートするという新しいタスクが追加された場合、これはスコープの変更に当たります。プロジェクトの目標や提供する成果物が変わったり、それを達成するための作業が増えたりしたときに、スコープの変更が発生するのです。
ア(プロジェクトで利用する開発場所の変更):
開発場所の変更は、プロジェクトを実施する環境や条件の変更であり、プロジェクトのスコープ(作業内容や成果物)そのものを変更するものではありません。
イ(プロジェクトに参画する開発メンバの追加):
開発メンバの追加は、プロジェクトで利用する人的資源の変更に当たります。プロジェクトのスコープ(作業内容や成果物)自体が変わるわけではありません。
ウ(プロジェクトの一部の作業の外注先の変更):
作業の外注先の変更は、プロジェクトの実施体制や資源調達方法の変更です。実施する作業の内容や成果物の範囲(スコープ)に変更が生じるわけではありません。
難易度
この問題の難易度は中程度です。プロジェクトマネジメントの基本的な概念、特に「スコープ」が何を指すのかを正確に理解しているかが問われます。プロジェクトの管理対象には、スコープの他にも時間、コスト、品質、資源などがありますが、それぞれの管理項目がどのような要素に焦点を当てているかを区別できると、正解にたどり着きやすくなります。
用語補足
スコープ:
プロジェクトで達成すべき目標や提供する成果物の範囲、およびそれを作成するために必要な作業の範囲を指します。例えば、家を建てるプロジェクトで「リビングに暖炉を設置する」という機能が追加されると、スコープが変更されたことになります。
プロジェクトマネジメント:
プロジェクトを計画、実行、監視、コントロールし、最終的に目標を達成するための活動全般を指します。例えば、文化祭の準備で、いつ、何を、誰が、どのように行うかを計画し、当日に向けて進捗を管理する一連の活動がこれに当たります。
運用テスト:
開発されたシステムが、実際の利用環境でユーザーの目線から問題なく機能するかを確認するテストです。例えば、新しいスマホアプリを開発した後、一般のユーザーに試してもらい、使いやすさやバグがないかを確認するテストです。
人的資源マネジメント:
プロジェクトに必要な人材を計画的に確保し、育成・管理することで、プロジェクトを円滑に進める活動です。例えば、新しいお店を開く際に、店長、レジ担当、商品陳列担当など、それぞれの役割に合ったスタッフを配置し、トレーニングを行うこと。
対策
この問題を解くためのポイントは、プロジェクトマネジメントの知識エリアである「スコープマネジメント」の概念を正確に理解することです。スコープとは「何をやるか」「どこまでやるか」を定義するものであり、それ以外の「どのようにやるか(方法)」「誰がやるか(人材)」「どこでやるか(場所)」などは、スコープ以外の管理項目(資源管理、環境管理など)に該当します。各知識エリアの定義と、それぞれがどのような要素を管理するのかをしっかりと区別して覚えることが対策となります。

