問題
問91
表計算ソフトを用いて、天気に応じた売行きを予測する。表は、予測する日の天気(晴れ、曇り、雨)の確率、商品ごとの天気別の売上予測額を記入したワークシートである。セル E4に商品 A の当日の売上予測額を計算する式を入力し、それをセル E5~E6に複写して使う。このとき、セル E4に入力する適切な式はどれか。ここで、各商品の当日の売上予測額は、天気の確率と天気別の売上予測額の積を求めた後、合算した値とする。

- B2*B4+C2*C4+D2*D4
- B$2*B4+C$2*C4+D$2*D4
- $B2*B$4+$C2*C$4+$D2*D$4
- $B$2*$B$4+$C$2*$C$4+$D$2*$D$4
[出典:ITパスポート試験 平成29年度春期 問91]
正解
正解は「イ」です。
解説
この問題は、表計算ソフトにおける「セル参照」の知識、特に相対参照と絶対参照の使い分けがポイントです。セルE4に商品Aの当日の売上予測額を計算する式を入力し、その式をセルE5(商品B)、E6(商品C)に複写して使う、という指示があります。 商品Aの売上予測額は、天気の確率と商品Aの天気別の売上予測額を掛け合わせて合計することで求められます。
具体的には、「晴れの確率(B2)×商品Aの晴れの日の売上予測額(B4)」+「曇りの確率(C2)×商品Aの曇りの日の売上予測額(C4)」+「雨の確率(D2)×商品Aの雨の日の売上予測額(D4)」という計算になります。 この式をE5やE6にコピーするとき、「天気の確率」(2行目)はどの商品でも同じ値を使うので、行番号を固定(絶対参照)する必要があります。
つまり、「$2」を付けて「B$2」「C$2」「D$2」とします。一方、「各商品の天気別の売上予測額」(B4, C4, D4など)は、コピー先の行(商品Bなら5行目、商品Cなら6行目)に合わせて参照する行を変える必要があるため、相対参照のまま(行番号に「$」を付けない)「B4」「C4」「D4」とします。
例えば、E4の式をE5にコピーすると、B4はB5に、C4はC5に、D4はD5に自動的に変化して、商品Bの正しい値が計算される、という仕組みです。 したがって、これらの条件を満たす式は「B$2*B4+C$2*C4+D$2*D4」である選択肢イが正解です。
ア(B2*B4+C2*C4+D2*D4):
この式では、天気の確率を示すB2、C2、D2の行番号が固定されていません。そのため、E4の式をE5やE6にコピーすると、確率を参照する行もずれてしまい、正しく計算できません。
ウ($B2*B$4+$C2*C$4+$D2*D$4):
この式では、各商品の売上予測額を示すB4、C4、D4の行番号が固定されています。そのため、E4の式をE5やE6にコピーしても、常に商品Aの売上予測額を参照してしまい、商品BやCの売上予測額を正しく計算できません。
エ($B$2*$B$4+$C$2*$C$4+$D$2*$D$4):
この式では、天気の確率も各商品の売上予測額も、すべてのセルが固定(絶対参照)されています。そのため、E4の式をE5やE6にコピーしても、常に商品Aの売上予測額と2行目の確率を参照し続け、商品BやCの売上予測額を正しく計算できません。
難易度
表計算ソフトの基本的な機能を理解しているかを確認する問題です。特に、セルをコピーする際に参照先がどのように変化するか(相対参照)と、特定のセルを固定して参照し続ける方法(絶対参照)の使い分けが重要になります。普段から表計算ソフトを使い慣れている方にとっては難易度は低いですが、初学者の方は「$」記号の意味と使い方をしっかり理解することがポイントとなるでしょう。
用語補足
表計算ソフト:
Microsoft ExcelやGoogle Sheetsのように、データを格子状のマス目(セル)に入力し、計算やグラフ作成ができるソフトウェアです。例えば、家計簿をつけたり、お店の売上をまとめたりするのに使われます。
セル参照:
表計算ソフトで、計算式の中で他のセルの値を利用することです。例えば、「A1」と書くと、A列1行目のセルの値を指します。計算式に「=A1+B1」と書けば、A1とB1の値を足し算できます。
相対参照:
セルをコピーしたときに、参照先のセルが自動的に移動(相対的に変化)する参照方法です。例えば、A1のセルに「=B1」という式があり、それをA2にコピーすると、式が自動的に「=B2」に変わるようなイメージです。計算式を縦や横にコピーするときに便利です。
絶対参照:
セルをコピーしても、常に同じ特定のセルを参照し続ける参照方法です。セルの番地の前に「$」記号をつけて「$A$1」のように表現します。これは、「この値は常にここを見てね」と指定するようなもので、例えば消費税率など、計算の基準となる特定の値を多くの計算で使い回すときに役立ちます。
対策
この問題を解くためのポイントは、表計算ソフトにおける「相対参照」と「絶対参照」の概念を正確に理解することです。特に、行だけを固定する「$行番号」や、列だけを固定する「$列番号」といった複合参照の使い分けをマスターすることが重要です。問題文の「セルE4に式を入力し、それをセルE5〜E6に複写して使う」という指示から、どの部分がコピー時に変化し、どの部分が固定されるべきかを慎重に判断しましょう。実際に表計算ソフトで同じような計算をしてみて、式の変化を確認する練習が有効です。

