問題
問12
電子メールの送信に関する事例のうち、個人情報保護の観点から不適切なものはどれか。
- 製品の質問メールへの回答で、その内容を知ってもらいたい複数の顧客のメールアドレスをCC欄に設定して返信した。
- 通信販売の購入額上位10人の顧客に対して1通ずつメールを作成し、順位に合わせた賞品の案内を通知した。
- 同窓生全員に配布してある同窓会名簿に記載された全員のメールアドレスを宛先に設定して、同窓会の案内メールを送信した。
- 春の特別企画展を実施することになり、特定の会員のメールアドレスを BCC 欄に設定して出展依頼のメールを送信した。
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問12]
正解
正解は「ア」です。
解説
正解の「ア」は、複数の顧客のメールアドレスを「CC」欄に設定して返信している点が、個人情報保護の観点から不適切です。 「CC」(カーボンコピー)欄にメールアドレスを設定すると、そのメールを受信した全員が、他の受信者のメールアドレスを見ることができてしまいます。これは、顧客のメールアドレスという個人情報を、本来知る必要のない他の顧客に開示してしまう行為に該当します。
例えば、あなたがお店に質問のメールを送ったとして、そのお店からの返信が、自分以外にも何十人もの他の顧客のメールアドレスが丸見えになっている状態で届いたらどう感じるでしょうか。「なぜ自分のメールアドレスが他の人に知られているのか」と不安に感じるはずです。
このような個人情報の漏えいは、顧客の信頼を損なうだけでなく、企業にとっても信用問題や法的責任につながる可能性があります。 複数の相手に同じ内容のメールを送る際に、お互いのメールアドレスを隠したい場合は、「BCC」(ブラインドカーボンコピー)欄を使用するのが適切な対応となります。BCC欄に設定されたメールアドレスは、受信者からは見えなくなるため、個人情報を保護しながら一斉送信が可能です。
イ(通信販売の購入額上位10人の顧客に対して1通ずつメールを作成し、順位に合わせた賞品の案内を通知した。):
顧客に対して個別にメールを送信しているため、他の顧客に個人情報が漏洩する心配はありません。これは適切な対応です。
ウ(同窓生全員に配布してある同窓会名簿に記載された全員のメールアドレスを宛先に設定して、同窓会の案内メールを送信した。):
同窓会名簿に記載されたメールアドレスを宛先に設定することは、同窓生間の情報共有として、一般的に容認される範囲内の運用と判断できます。ただし、状況によってはBCCを使用することも検討されます。
エ(春の特別企画展を実施することになり、特定の会員のメールアドレスを BCC 欄に設定して出展依頼のメールを送信した。):
BCC欄にメールアドレスを設定すると、受信者には他の受信者のメールアドレスが見えないため、個人情報保護の観点から適切な送信方法です。
難易度
この問題は、電子メールの機能と個人情報保護に関する基本的な知識を問うもので、比較的理解しやすい内容です。日常生活でメールを利用する機会が多い方にとっては、CCとBCCの違いを一度でも意識したことがあれば、容易に正解にたどり着けるでしょう。情報セキュリティの初歩的な概念を学ぶ上でも重要なポイントとなります。
用語補足
電子メール:
インターネットを通じてメッセージやファイルを送受信するためのシステムです。手紙のように相手に情報を伝えることができます。
個人情報保護:
氏名、住所、メールアドレスなど、個人を特定できる情報が不適切に扱われないように守ることです。例えば、お店がお客様の連絡先を勝手に他の人に教えないようにする、といった考え方です。
CC (カーボンコピー):
電子メールの送信時に、主たる宛先(To)以外にも情報共有したい相手を指定する欄です。CCに指定された人は、他のToやCCの宛先を全員見ることができます。例えば、学校の先生が保護者全員にメールを送る際、全員のメールアドレスをCCに入れると、他の保護者のアドレスが見えてしまう状態です。
BCC (ブラインドカーボンコピー):
電子メールの送信時に、主たる宛先(To)やCCの相手には表示されずに、情報共有したい相手を指定する欄です。BCCに指定されたアドレスは、他の受信者からは見えません。例えば、会社が複数のお客様に一斉にお知らせメールを送る際、お客様同士のメールアドレスが見えないようにするためにBCCを使用します。
対策
この問題の対策としては、電子メールの基本的な機能、特に「To」「CC」「BCC」それぞれの役割と、それに伴う個人情報保護の重要性を理解することが重要です。それぞれの宛先設定が、情報の公開範囲にどう影響するかを具体的な場面でイメージできるようにしておきましょう。ITパスポート試験では、情報セキュリティやモラルに関する問題が頻出するため、日頃から情報を取り扱う際の意識を高めておくことがポイントです。

