問題
問6
液晶ディスプレイなどの表示装置において、傾いた直線の境界を滑らかに表示する手法はどれか。
- アンチエイリアシング
- シェーディング
- テクスチャマッピング
- バンプマッピング
[出典:基本情報技術者試験 令和6年度(科目A) 問6]
正解
正解は「ア」です。
解説
本問は、ディスプレイなどの表示装置で「斜めの直線などを滑らかに表示する技術」がテーマです。液晶やグラフィック表示において、斜めの線や曲線をそのまま表示しようとすると、ドット(画素)の配置により「ギザギザ」してしまう現象が発生します。これを「ジャギー」と呼びます。
正解の「アンチエイリアシング(Anti-Aliasing)」は、このジャギーを抑えて滑らかに見せるための技術です。隣接するピクセルとの色をぼかすことで、線がなめらかに見えるように処理を行います。
たとえば、紙に太いマジックで斜めの線を引いたとき、周囲がじんわり黒くなることで直線が自然に見えるのと似たような効果です。ゲームグラフィックやフォント描画にもよく使われています。
他の選択肢はすべて3Dグラフィックスの描画技術ですが、「滑らかに表示する処理」とは直接関係がありません。したがって、正解は「アンチエイリアシング」です。
- イ(シェーディング):
物体の表面における光の当たり方を計算し、明るさの違いで立体感を表現する技術です。ジャギーの除去とは関係がありません。 - ウ(テクスチャマッピング):
物体の表面に画像(テクスチャ)を貼り付ける処理です。滑らかさの調整ではなく、表面の見た目をリアルにするための技術です。 - エ(バンプマッピング):
物体表面に凹凸があるように見せかけるための処理です。ピクセル単位の陰影を使って凹凸感を演出しますが、線の滑らかさとは無関係です。
難易度
この問題は、CGや画面描画に関する基本的な用語を理解しているかを問うものです。アンチエイリアシングは視覚的にもなじみのある技術で、ゲームやフォント表示においてもよく使われています。基本的な知識を持っていれば難しくありませんが、3Dグラフィックスの用語と混同してしまう初学者もいるため、難易度は「普通」と言えます。
用語補足
アンチエイリアシング:
斜め線や曲線の表示におけるギザギザ(ジャギー)を目立たなくするため、色を滑らかに補間して表示する技術です。
ジャギー:
画面上で斜めや曲線を表示したときに現れる階段状のギザギザです。解像度の低い表示やアンチエイリアシングが行われないときに発生します。
テクスチャマッピング:
3Dオブジェクトの表面に画像(テクスチャ)を貼り付けて、見た目をリアルにするグラフィック技術です。地図や顔の模様などが例です。
対策
コンピュータグラフィックスにおける描画技術(アンチエイリアシング・テクスチャマッピング・シェーディングなど)を一通り整理して、それぞれの目的と使われ方を理解しておくと有利です。視覚的な例(ゲーム画面やフォント描画など)と関連付けて覚えると記憶に残りやすくなります。