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基本情報技術者試験 | 令和6年度(科目A) [問18] 過去問解説

問題

問18

HRテックの説明はどれか。

  • ICTを活用して、住宅内のエネルギー使用状況の監視、機器の遠隔操作や自動制御などを可能にし、家庭におけるエネルギー管理を支援するソリューション
  • 既存のビジネスモデルによる業界秩序や取得権益を破壊してしまうほど大きな影響を与える新しいICTやビジネスモデル
  • 個人の資金に関わる情報を統合的に管理するサービスやマーケットプレイス・レンディングなどの金融サービスを実現するための新しい情報技術
  • 採用、育成、評価、配属などの人事領域の業務を対象に、ビッグデータ解析やAIなどの最新ICTを活用して、業務改善と社員満足度向上を図るソリューション

[出典:基本情報技術者試験 令和6年度(科目A) 問18]

正解

正解は「」です。

解説

 HRテック(HRTech)とは、「Human Resources(人事)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、ICT、AI、ビッグデータなどの先端技術を人事分野に活用することを指します。

 正解の「エ」は、「採用、育成、評価、配属などの人事領域の業務を対象に、ビッグデータ解析やAIなどの最新ICTを活用して、業務改善と社員満足度向上を図るソリューション」と説明されており、HRテックの定義と完全に一致しています。

 HRテックの具体例としては、AIを使った履歴書のスクリーニング、従業員のエンゲージメント分析、社員満足度のアンケート解析、スキルマッチングによる最適な配属提案などがあります。これにより、人事担当者の業務を効率化し、より戦略的な人材管理が可能になります。

 たとえば、大企業では多数の応募者を効率よく処理するために、AIが応募者のスキルや経験を自動で評価し、適性の高い人材を抽出するシステムが導入されています。また、社員のモチベーションを可視化し、退職リスクを事前に予測するHRアナリティクスも重要な活用例です。

 こうしたテクノロジーの導入により、人事業務の属人性が軽減され、データに基づいた公正で戦略的な意思決定が可能となります。HRテックは、企業の人的資本を最大限に活用するための重要な手段といえるでしょう。

ア(ICTを活用して、住宅内のエネルギー使用状況の監視…):
 これは家庭向けエネルギー管理技術「HEMS(Home Energy Management System)」の説明であり、HRテックとは無関係です。
イ(既存のビジネスモデルによる業界秩序や…):
 これは「ディスラプティブ・イノベーション(破壊的イノベーション)」の説明であり、人事領域とは関係ありません。
ウ(個人の資金に関わる情報を統合的に管理する…):
 これは「フィンテック(FinTech)」の説明であり、金融分野に関する技術です。

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難易度

 HRテックという用語を知っていれば容易に解ける問題ですが、フィンテックやHEMSといった他の技術と混同しやすいため、用語の違いを理解していないと迷う可能性があります。初学者にとっては中程度の難易度です。

用語補足

HRテック:
人事(Human Resources)業務にICTやAIを活用する技術・サービスの総称で、採用や人材配置、評価などの業務を効率化します。

フィンテック:
金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、キャッシュレス決済やロボアドバイザーなどの新しい金融サービスを指します。

ビッグデータ解析:
膨大な量のデータを処理・分析することで、業務改善や予測に活かす技術。HRテックでも、社員の行動や感情のパターン分析に使われます。

対策

 HRテックやフィンテックなど、〇〇テックと呼ばれる最新技術用語の意味を整理して覚えておくことが有効です。特に、どの業界・業務に適用されている技術なのかをセットで覚えることで、類似選択肢にも惑わされずに正答できるようになります。


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