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基本情報技術者試験 | 令和6年度(科目A) [問17] 過去問解説

問題

問17

マーケティング戦略におけるブルーオーシャンの説明として、適切なものはどれか。

  • 競争が存在していない未知の市場
  • コモディティ化が進んだ既存の市場
  • 新事業のアイディアを実際のビジネスに育成するまでの期間
  • 製品開発したものを市場化する過程に横たわっている障壁

[出典:基本情報技術者試験 令和6年度(科目A) 問17]

正解

正解は「」です。

解説

 ブルーオーシャンとは、「競争のない未開拓市場」を指すマーケティング戦略の概念です。従来の企業が争っている市場(これを「レッドオーシャン」と呼びます)とは異なり、ブルーオーシャンでは競合他社が存在せず、独自の価値を提供することで新しい需要を創出できることが特徴です。

 正解の「ア」は、「競争が存在していない未知の市場」としてブルーオーシャンの定義に最も合致しています。たとえば、過去にAppleがiPadを発売した際、それまで「タブレット市場」というものは一般に存在していなかったため、まさに新しいブルーオーシャン市場を開拓した例といえます。

 この戦略のメリットは、価格競争に巻き込まれることなく、革新性や独自性を武器にして収益性の高い市場を確保できる点です。逆にレッドオーシャンでは、同じ製品やサービスで多数の企業が競争するため、差別化が難しく、価格競争に陥りやすくなります。

 ブルーオーシャン戦略では、顧客の潜在的なニーズを掘り起こし、従来の枠組みにとらわれない商品やサービスを提供することが求められます。イノベーション志向の企業には特に有効なアプローチです。

 日常に置き換えるなら、全く新しい趣味やサービス(例:シニア向けeスポーツ教室)を始めることで、誰とも競争せずに支持を集めるようなイメージです。

イ(コモディティ化が進んだ既存の市場):
 これは競合が激しい「レッドオーシャン」の説明であり、ブルーオーシャンとは正反対の概念です。
ウ(新事業のアイディアを…):
 これは「インキュベーション」や「事業育成」の段階を指すもので、市場の競争状態とは無関係です。
エ(製品開発したものを市場化する過程に…):
 これは「マーケティングチャネル」や「市場参入障壁」に関する説明であり、ブルーオーシャンそのものを説明していません。

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難易度

 ブルーオーシャン戦略というビジネス用語を知っていれば容易に解ける問題ですが、未学習だと他の選択肢との違いがわかりにくくなります。用語の定義を正確に押さえておくことで確実に得点できる問題です。

用語補足

ブルーオーシャン:
競争のない未開拓市場を指し、新しい需要を創出することで価格競争に巻き込まれずにビジネスができる戦略です。

レッドオーシャン:
多数の競合企業が存在する既存市場で、差別化が難しく価格競争が激化しがちな状態を指します。

差別化戦略:
他社にはない製品・サービスの特徴を活かして競争優位を得る戦略で、ブルーオーシャン戦略とも相性が良いアプローチです。

対策

 ビジネス戦略の分野では、ブルーオーシャン・レッドオーシャンといった用語の意味を区別して覚えておくことが大切です。特に「市場の性質」に関するキーワード(競争の有無、価格競争、革新性)に注目することで、問題の選択肢を正確に判断できるようになります。


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