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基本情報技術者試験 | 令和6年度(科目A) [問13] 過去問解説

問題

問13

アローダイアグラムで表されるプロジェクトは,完了までに最少で何日を要するか。

  • 105
  • 115
  • 120
  • 125

[出典:基本情報技術者試験 令和6年度(科目A) 問13]

正解

正解は「」です。

解説

 本問は、アローダイアグラム(作業ネットワーク図)に基づいて、プロジェクトの完了までに必要な最少日数、すなわち「クリティカルパス(最長経路)」の所要日数を求める問題です。アローダイアグラムでは、作業の順序や依存関係を示しており、複数の経路の中で最も時間のかかる経路がプロジェクト全体の期間を決定します。

 各経路の所要日数を以下のように求めていきます(ダミー作業は所要日数0としてカウントしません):

  • A→B→E→H:30 + 5 + 40 + 30 = 105日
  • A→C→F→H:30 + 30 + 25 + 30 = 115日
  • A→D→G→H:30 + 20 + 30 + 30 = 110日
  • A→C→(下のダミー)→G→H:30 + 30 + 0 + 30 + 30 = 120日
  • A→C→B→E→F→H(に見えるが、B→Eはダミー、E→FとC→Fが並列で成り立たない):経路破綻のため除外

 上記の結果より、最長の所要日数は「A→C→(下のダミー)→G→H」で、120日です。この経路がクリティカルパスに該当し、プロジェクトの最短完了日数となります。

 従って、正解は「」です。

ア(105):
 A→B→E→Hの経路(30+5+40+30)ですが、他の経路に比べて短く、クリティカルパスにはなりません。
イ(115):
 A→C→F→Hの経路で30+30+25+30=115日となりますが、A→C→G→H経路の120日の方が長いため不正解です。
エ(125):
 実際のどの経路にも一致せず、計算誤りまたは架空の経路を想定している可能性がある選択肢です。

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難易度

 この問題はアローダイアグラムの読み方やダミー作業の扱いに習熟している必要があるため、初学者にとってはやや難易度が高めです。特にクリティカルパスの見極めには計算力と論理的思考力が求められるため、経験が少ない受験者には手間取る可能性があります。

用語補足

アローダイアグラム:
プロジェクトの作業順序と所要時間を矢印と円で図示したもので、作業の依存関係と流れを視覚的に表現できます。例として、料理の工程や引越しのスケジュール管理などにも使えます。

クリティカルパス:
プロジェクト全体で最も時間のかかる作業の連続経路で、これが遅れると全体が遅延します。日常生活では、電車の乗り継ぎの中で一番時間がかかる区間に相当します。

ダミー作業:
実際の作業は伴わないが、依存関係を示すために図に追加される作業で、所要日数は0です。順序を守るための補助線のようなものです。

対策

 アローダイアグラムの問題では、まずすべての経路を洗い出してから、それぞれの所要日数を正確に計算することが重要です。ダミー作業を含む経路の扱いも慣れておく必要があります。演習問題でパターンに慣れながら、図の構造を見て瞬時にクリティカルパスを判別できるように練習するとよいでしょう。


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