問題
問18
イノベータ理論では、消費者を新製品の購入時期によって、イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの五つに分類する。アーリーアダプタの説明として、適切なものはどれか。
- 新しい製品及び新技術の採用には懐疑的で、周囲の大多数が採用している場面を見てから採用する層
- 新商品、サービスなどを、リスクを恐れず最も早い段階で受容する層
- 新商品、サービスなどを早期に受け入れ、消費者に大きな影響を与える層であり、流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層
- 世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化してからそれを採用することが多い層であり、場合によっては不採用を貫く、最も保守的な層
[出典:基本情報技術者試験 令和5年度(科目A) 問18]
正解
正解は「ウ」です。
解説
イノベータ理論は、エベレット・ロジャーズによって提唱された理論で、新製品や新技術が市場に普及する際、消費者がどのタイミングで受け入れるかに基づき、5つの層に分類されます。
「アーリーアダプタ」は、一般の人々よりも早く新製品・サービスを受け入れる層です。イノベータほどの冒険心はありませんが、情報感度が高く、自ら情報収集を行い、自分の判断で積極的に採用を決めます。この層は他の消費者に対して影響力があり、流行の初期段階での拡大に大きく貢献します。
選択肢「ウ」はこの特徴をよく表しており、正解となります。 たとえば、新しいスマートフォンが発売されたとき、IT系メディアや口コミを参考にして「これは良さそうだ」と判断して早めに購入するような人々がアーリーアダプタです。彼らの使用レビューは、より保守的な層にとって重要な参考情報になります。
ア(新しい製品や技術の採用に慎重で、多数派が使ってから採用する層):
これは「レイトマジョリティ」に該当する説明であり、アーリーアダプタの特徴とは異なります。 イ(リスクを恐れず最も早い段階で受容する層):
この説明は「イノベータ」に該当します。彼らは好奇心が強く、新しい物を積極的に試す先駆者です。 エ(流行が一般化してから採用する最も保守的な層):
この層は「ラガード」に相当します。新しい技術への関心が薄く、必要性を感じない限り採用しません。
難易度
本問題の難易度は「普通」です。イノベータ理論はITパスポートや基本情報技術者試験で頻出のマーケティング理論の一つであり、各層の特徴を理解していれば正解を導くことは難しくありません。図解と合わせて学習することで記憶に定着しやすくなります。
用語補足
イノベータ理論:
新製品や技術が市場に普及する過程で、消費者を5つの層に分類する理論。提唱者はエベレット・ロジャーズです。
アーリーアダプタ:
イノベータに続いて新技術を受け入れる層で、情報感度が高く他者に影響を与えるキーパーソンです。
ラガード:
保守的で新しい技術に関心を持たず、流行が定着しても導入しないこともある層です。
対策
イノベータ理論における5分類(イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)の特徴を具体例とともに覚えましょう。人物像や採用タイミングを整理した図表と併せて復習すると効果的です。