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基本情報技術者試験 | 令和5年度(科目A) [問17] 過去問解説

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問題

問17

ERPを説明したものはどれか。

  • 営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高め、売上・利益の大幅な増加や、顧客満足度の向上を目指す手法・概念である。
  • 卸売業・メーカーが小売店の経営活動を支援することによって、自社との取引量の拡大につながる手法・概念である。
  • 企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し、経営の効率向上を図るための手法・概念である。
  • 消費者向けや企業間の商取引を、インターネットなどの電子的なネットワークを活用して行う手法・概念である。

[出典:基本情報技術者試験 令和5年度(科目A) 問17]

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正解

正解は「」です。

解説

 ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)とは、企業内のヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を一元的に管理・活用することで、経営の効率化を図る手法や概念を指します。

 販売、在庫、生産、会計、人事などの業務を統合し、共通のデータベース上で管理することで、部門間の情報のやり取りを迅速かつ正確に行うことができます。

  例えば、販売部門が商品の受注を入力すると、その情報はリアルタイムで在庫管理や生産計画、請求処理にも自動的に反映される仕組みです。これにより、重複入力や部門間の連携ミスを減らし、全体の業務効率を高めることができます。

 選択肢「ウ」は「企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し、経営の効率向上を図る」と説明しており、ERPの本質を正確に捉えているため、正解となります。

ア(営業活動にITを活用し、効率と品質を高める):
 これはSFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)の説明に近く、ERPの説明とは異なります。

イ(メーカーが小売店を支援し取引量を拡大):
 これはチャネルパートナー支援やVMI(Vendor Managed Inventory)などの概念に近く、ERPとは無関係です。

エ(インターネットを利用した商取引):
 これはEC(Electronic Commerce)やEDI(Electronic Data Interchange)の説明に該当し、ERPの説明ではありません。

難易度

 本問の難易度は「やや易しめ」です。ERPはITパスポートや基本情報で頻出する基本概念であり、過去問学習をしている受験者であれば選択肢「ウ」をすぐに選べる問題です。ただし、SFAやECなど似た用語と混同しやすいため、用語ごとの違いを明確にしておく必要があります。

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用語補足

ERP(Enterprise Resource Planning):
企業全体の経営資源(人材・資金・設備・情報など)を統合的に管理・活用し、業務効率の向上を図る管理手法です。

SFA(営業支援システム):
営業活動に特化したITツールで、商談管理や顧客対応の履歴管理、日報などを支援します。ERPの一部機能として含まれることもあります。

EC(Electronic Commerce):
インターネットなどのネットワークを使って商品やサービスを売買する仕組みです。Amazonや楽天などが典型例です。

対策

 ERPは情報システムの全体像を問う問題で頻出です。ERP、CRM、SCMなど、企業内の情報システムに関する用語を体系的に理解しておくことが重要です。特に「何を統合・管理するのか」と「目的は何か」に着目して学習しましょう。