問題
問16
ダイバーシティマネジメントの説明はどれか。
- 従業員が仕事と生活の調和を図り、やりがいをもって業務に取り組み、組織の活力を向上させることである。
- 性別や年齢、国籍などの面で従業員の多様性を尊重することによって、組織の活力を向上させることである。
- 自ら設定した目標の達成を目指して従業員が主体的に業務に取り組み、その達成度に応じて評価が行われることである。
- 労使双方が労働条件についての合意を形成し、協調して収益の増大を目指すことである。
[出典:基本情報技術者試験 令和5年度(科目A) 問16]
正解
正解は「イ」です。
解説
ダイバーシティマネジメントとは、組織内の人材の多様性(ダイバーシティ)を積極的に受け入れ、それを組織の成長や活性化に活かしていこうとするマネジメント手法です。性別、年齢、国籍、文化的背景、障がいの有無、宗教、性的指向など、多様な属性や価値観を持った人々が同じ職場で働く中で、全員がその能力を最大限に発揮できるようにすることが目的です。
例えば、若い社員とベテラン社員が互いの視点やスキルを活かし合うことで、新たなアイデアが生まれたり、女性や外国籍の社員が活躍できる環境を整備することで、組織全体のパフォーマンスが向上したりします。
このように、組織の中で多様性を尊重し、活かすことが「ダイバーシティマネジメント」の本質です。 選択肢「イ」は、「性別や年齢、国籍などの面で従業員の多様性を尊重することによって、組織の活力を向上させる」と説明しており、ダイバーシティマネジメントの定義と合致するため正解です。
ア(仕事と生活の調和を図り、やりがいを持つ):
これは「ワークライフバランス」に関する説明であり、ダイバーシティマネジメントとは異なります。
ウ(目標設定と評価):
これは「目標管理制度(MBO)」の説明であり、ダイバーシティの尊重とは直接関係がありません。
エ(労使間の合意と協調):
これは「労使協調」や「労使交渉」に関する説明で、ダイバーシティの観点からの説明ではありません。
難易度
本問は初学者でも比較的正解しやすいレベルです。ダイバーシティマネジメントという用語自体は近年の企業経営において重要視されているため、聞いたことがある人も多いです。用語の定義を知っていれば、他の選択肢との違いも明確であり、消去法でも正解にたどり着ける内容です。
用語補足
ダイバーシティマネジメント:
多様な人材(性別・年齢・国籍など)を受け入れ、それぞれの強みを活かして組織の活性化や業績向上を目指す管理手法です。
ワークライフバランス:
仕事と生活(プライベート)の調和を図り、従業員の満足度や働き方改革につなげる考え方です。
目標管理制度(MBO):
従業員が自ら目標を設定し、その達成度に基づいて評価される制度です。組織目標と個人目標を結び付けることを重視します。
対策
ダイバーシティやワークライフバランスといった現代的な人事管理用語は頻出分野です。似た言葉や制度と混同しやすいため、関連する用語をセットで学習し、違いを理解することが大切です。実際の企業事例を調べることも理解の助けになります。