問題
問15
ハイブリッドクラウドの説明はどれか。
- クラウドサービスが提供している機能の一部を、自社用にカスタマイズして利用すること
- クラウドサービスのサービス内容を、消費者向けと法人向けの両方を対象とするように構成して提供すること
- クラウドサービスのサービス内容を、有償サービスと無償サービスとに区分して提供すること
- 自社専用に使用するクラウドサービスと、汎用のクラウドサービスとの間でデータ及びアプリケーションソフトウェアの連携や相互運用が可能となる環境を提供すること
[出典:基本情報技術者試験 令和5年度(科目A) 問15]
正解
正解は「エ」です。
解説
ハイブリッドクラウドとは、「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」を組み合わせて利用するクラウド運用モデルのことを指します。パブリッククラウドはAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureのように、一般に広く提供されているクラウドサービスであり、コストや拡張性に優れています。
一方、プライベートクラウドは、特定企業が専用に構築・利用するクラウド環境であり、セキュリティやコンプライアンスの要求が厳しいデータを扱うのに適しています。 ハイブリッドクラウドでは、これらを連携させることで、それぞれの利点を生かしつつ、柔軟な運用が可能となります。
たとえば、機密性の高い業務はプライベートクラウド上で運用し、スケーラブルな処理や一時的な負荷対応はパブリッククラウドを使うといった使い分けが可能です。 選択肢「エ」は、まさにこのような「異なるクラウド間の連携や相互運用性」を説明しており、ハイブリッドクラウドの定義に該当する正解です。
ア(クラウドサービスの一部機能をカスタマイズして利用):
これはクラウドサービスのカスタマイズに関する内容であり、ハイブリッドクラウドの定義とは異なります。
イ(消費者向けと法人向けの構成):
提供対象の違いに関する説明で、ハイブリッドクラウドの構成や技術的連携とは無関係です。
ウ(有償サービスと無償サービスの区分):
サービスの課金形態に関するもので、クラウドの運用モデル(ハイブリッドやパブリックなど)とは異なる視点の説明です。
難易度
本問はクラウドの基本分類(パブリック、プライベート、ハイブリッド)について理解していれば解ける標準的なレベルの問題です。選択肢は紛らわしいものもありますが、「異なるクラウド間の連携」というキーワードを把握していれば正解にたどりつけます。
用語補足
ハイブリッドクラウド:
パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせ、用途に応じて使い分けながら運用できるクラウド構成です。
パブリッククラウド:
多数のユーザーが共有して使うクラウド環境で、一般公開されており、コスト面やスケーラビリティに優れています。
プライベートクラウド:
特定の企業や組織が専用で使うクラウドで、高度なセキュリティやカスタマイズ性が求められる業務に適しています。
対策
クラウドの基本形態(パブリック、プライベート、ハイブリッド)の違いを理解し、それぞれのメリットや用途に応じた使い分けができるようにしましょう。ITパスポートや基本情報試験では、構成や運用形態に関する出題が多いため、図解などを活用してイメージで覚えると効果的です。