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基本情報技術者試験 | 令和5年度(科目A) [問13] 過去問解説

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問題

問13

図に示すとおりに作業を実施する予定であったが、作業Aで1日の遅れが生じた。各作業の費用増加率を表の値とするとき、当初の予定日数で終了するために掛かる増加費用を最も少なくするには、どの作業を短縮すべきか。ここで、費用増加率とは、作業を1日短縮するために要する増加費用のことである。

  • B
  • C
  • D
  • E

[出典:基本情報技術者試験 令和5年度(科目A) 問13]

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正解

正解は「」です。

解説

 本問は、作業Aで1日の遅れが生じた際に、全体のスケジュール遅延を防ぐために、どの作業を短縮すれば最もコストを抑えられるかを問うクリティカルパス分析の問題です。まず、図からクリティカルパス(全体工期を決定する経路)を求めます。パスの合計日数は次のとおりです。

  • A→B→E→G:4+6+5+5=20日
  • A→C→F→G:4+6+4+5=19日
  • D→F→G:4+4+5=13日(非クリティカル)

 作業Aが1日遅れたため、最長経路のA→B→E→Gが21日となり、予定通り終えるにはこのパス上のどこかを1日短縮する必要があります。 次に、パスA→B→E→Gに含まれる作業の中で、1日短縮するための費用(増加率)を比較します。

  • B:費用増加率6
  • E:費用増加率2.5
  • G:費用増加率5

 最も費用が少ないのは「E:2.5」です。したがって、作業Eを1日短縮すれば、最低コストで遅れを補うことができます。

ア(B):
 クリティカルパス上にある作業ですが、1日短縮するために費用増加率が6と高く、コスト最小にはなりません。
イ(C):
 CはパスA→C→F→G上にあり、全体日数19日なのでクリティカルパスに含まれません。短縮しても工期に影響しません。
ウ(D):
 DはパスD→F→G上にあり、全体工期13日でクリティカルパス外です。短縮しても全体日数には影響がありません。

難易度

 本問は、クリティカルパス法(CPM)と費用対効果の分析を組み合わせた典型的なスケジュール管理問題です。経路分析と数値比較が必要であり、プロジェクト管理の知識が必要です。やや応用的な思考が必要なため、難易度は中程度です。

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用語補足

クリティカルパス:
プロジェクト全体の完了に最も時間がかかる作業経路のこと。この経路上の作業が遅れると、全体工期が遅延します。

費用増加率:
作業を1日短縮するためにかかる追加費用の割合。コスト最適化を考える際に用います。

スケジュール短縮:
予定より早く作業を終えるために、コストをかけて作業時間を削減すること。主に人員増加や作業時間拡大などが伴います。

対策

 クリティカルパスを正確に見抜く力と、数値の比較で最適な選択肢を選ぶ力が求められます。作業の依存関係や日数の計算に慣れ、各作業の増加費用を比較する問題に対応できるよう、プロジェクト管理の基礎を身につけておきましょう。